清原和博が血糖値900という報道の違和感
清原和博が拘置所に勾留中に持病の糖尿病が悪化し血糖値900という報道に違和感を覚えた医療従事者は多いのでは無いだろうか?糖尿病の最終駅で足が腐ってくる糖尿病壊疽の患者の足を切り落とすのが専門と豪語している友人の医師でさえ、2014年に診断ついてて治療介入されているにも関わらず血糖値900はほとんど見たこと無い、糖尿病診療してるけどほとんど見ない。と驚くレベルの血糖値である。まさに糖尿病の怪物である。また、血糖値900という数値が拘置所の食事などが制限されている環境で起きているということはかなりの異常事態ではないか?これが事実ならきっと、そう遠くない未来多分死ぬ。そうまで言い切っていた。専門家からみても違和感を感じるおかしい数値それが血糖値900である。
データで見る血糖値
では実際糖尿病患者の血糖値はいくらなのであろうか?東京の病院の糖尿病外来受診患者のデータが論文としてあったので紹介させて頂くと、糖尿病患者11451名のデータを見てみても一番コントロールが悪い群で血糖値176である。また、ドットブロットのグラフを精読しても最大が500台で600を越える患者は居なかった。それだけ規格外な怪物が清原和博である。ちなみに糖尿病合併症の割合は、神経障害11.8%、腎症11.1%、網膜症10.6%、足の壊疽0.7%となっている。
参考
では何故清原和博は糖尿病になったのか?
しかし、一流アスリートであった清原和博が糖尿病になってしまったのか?限度を超えた暴飲暴食が原因と考えられているが、引退する2008年までは現役アスリートであったことから、それらの暴飲暴食を行っても十分代謝できる代謝的な余裕があったと考えられるだろう。そして、現役引退後の代謝低下にも関わらず摂取カロリーを下げなかったことが糖尿病発症に関与しているのは間違いない。しかし、清原和博のように一度はトップをとったアスリートの方が24時間お菓子ばかりを食べているデブニートよりも重度の糖尿病になってしまったことに僕は違和感を感じた。そこで、骨格筋と糖尿病の発症について調べてみた。
サルコペニア
サルコペニアを「加齢による」筋力低下・筋肉量低下とした場合、それ以外の要因の筋力低下・筋肉量低下をミオペニアと呼ぶことがある。また、加齢による「筋肉量減少」をサルコペニア、加齢による「筋力低下」をダイナペニアと定義する論文もある。ミオペニア、ダイナペニアともに各々においても定義が異なることがある。
サルコペニアは加齢に伴う筋力低下と定義される。骨格筋は血糖を下げるホルモンであるインスリンの最大の標的組織で、最もブドウ糖を上手に消費する臓器だ。これが減るということは、インスリンの効く場所がなくなる。つまり、糖尿病のキーワードの一つであるインスリン抵抗性が出てくるということに繋がります。清原和博の場合は厳密には老齢に伴う筋力減小とは言い切れませんが、トレーニングなどを行わないことにより急速に筋肉が落ちていきインスリン抵抗性が上昇し糖尿病の発生になったと考えられます。また、覚醒剤を使用することにより、認知機能が低下しサルコペニアに精神症状が合併したフレイルに近い状態になっていた可能性も奇行などから想像できます。
骨格筋における異所性脂肪
また、アスリートでは骨格筋に本来無いはずの脂肪が沈着することが知られており、持久的なトレーニングを多く行っているアスリートでは、骨格筋における異所性脂肪が多いがインスリン感受性も高いというアスリートパラドックスという現象が知られています。野球は瞬発力がメインの運動であると同時に持久力のトレーニングもハードに行いますので清原選手も骨格筋における異所性脂肪が増加しており、トレーニング中断と同時にそれが牙をむいた可能性も否定できません。
清原和博の予後
おそらく、現時点で報道が事実であれば、神経障害と網膜症は結構な確率でおきているのではないかと推測します。また、喫煙歴20年という報道もありましたのでそこから鑑みるに動脈硬化も進んでいて下手すると閉塞性動脈硬化症も合併してそうだなと個人的には思います。
こちらからの所見は以上です。