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戦時中の絵日記を文化財指定 大津市

瀬田国民学校絵日記。空襲警報が鳴り、避難する様子を描いているほか、当時の日常生活が子どもの視点で描かれている(大津市教委提供)
瀬田国民学校絵日記。空襲警報が鳴り、避難する様子を描いているほか、当時の日常生活が子どもの視点で描かれている(大津市教委提供)

 大津市教委は10日、市内の個人が所有する室町時代の古文書「永田家中世文書」3通と、太平洋戦争中の暮らしを当時の児童の目線で記録した「瀬田国民学校絵日記」を、それぞれ市指定文化財に追加した。

 永田家中世文書は、室町時代に幕府と延暦寺の仲介役「山門使節」として活躍した僧侶、護正院の子孫の家に伝わる文書で、指定された3通はいずれも室町幕府が護正院に送った書状。500年以上前の書状が、戦乱や水害を乗り越え個人宅で保存されていたことや、史料価値が評価された。

 このうち1通は室町幕府御教書の原本で、嘉吉3年(1443年)南朝再興を図る勢力が三種の神器を奪い延暦寺根本中堂に立てこもった「禁闕(きんけつ)の変」の際、護正院が変を鎮圧したことに対し、幕府が賞する内容。禁闕の変は公家の日記などで概要は知られていたが、当事者間のやりとりが分かる史料は貴重という。

 「瀬田国民学校絵日記」は、1944年、同学校(現瀬田小)の女子学級の児童が描いた絵日記。44年4月の「入学式 始業式」から、45年3月の「卒業式の前日、けい戒警報」まで、計188日分の学校生活が和紙に墨と水彩で描かれている。当時担任として児童を指導して絵日記を描かせた故西川綾子訓導の遺族が2011年に市に寄贈していた。

 絵日記には、出征兵士の壮行会や空襲警報を受けて避難した事など、戦時下の様子が描かれている。さらに、大半は日々の学習内容や、地域の祭り、農作業の手伝いなど、当時の農村の日常風景が子どもの視点で記録されており、民俗資料としても高い価値があると評価した。

【 2016年03月11日 17時00分 】

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