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土岐出身男性が日清、日露の従軍日記 市図書館で展示始まる

日記を寄贈した田中さん(右)と現代語訳をした加藤さん=土岐市図書館で

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 土岐市出身の男性が、日清戦争(一八九四〜九五年)と、日露戦争(一九〇四〜〇五年)に従軍していた際に付けていた日記の展示が九日、市図書館で始まった。六年前に遺族が発見して市に寄贈され、初めての公開となる。四月三日まで。

 男性は一八六九(明治二)年生まれの田中菊次郎さんで、窯業を営んでいた。日露戦争終結翌年の一九〇六年に三十六歳で死去した。

 手帳は三冊あり、菊次郎さんのひ孫にあたる陶芸家田中源彦さん(61)=土岐市土岐津町=が自宅の仏壇で発見し、昨年五月に市に寄贈した。二冊が日清戦争を記録した官製従軍手帳で、一冊が日露戦争を記録している。市教委史料整理室の加藤勝史さん(67)が解読と現代語訳に取り組み、日清戦争の二冊分を冊子にまとめた。日露戦争の日記も今後解読と現代語訳を進める。

日清戦争に従軍した田中菊次郎さんの日記=土岐市図書館で

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 日清戦争の手帳は縦六センチ、横九センチと縦七センチ、横十センチの大小二冊。菊次郎さんは中国と朝鮮半島の国境周辺で従軍していたと思われ、血を流して亡くなっていた清の兵隊を火葬したり、移動中に民家で食料を奪ったりしたことなどが生々しく記されている。城や民家、家具を描いた緻密に描いた絵もある。

 源彦さんは「細かな記録で、多くの人に見てもらいたい」、加藤さんは「毎日の暮らしが細かに残されているので、歴史上の戦争を違う視点から見る貴重な資料」と話す。

 (問)土岐市史料整理室=0572(54)4443

 (秦野ひなた)

 

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