J. M. W. Turner - Wikipedia, the free encyclopedia
昨日、ルーファス・ウェインライトというアーティストの曲の話をしていて、「良い話だ」と言われて「ほえー、“良い”話になるのか」と不思議に思いましたので、さらりと。
話していたのは、『The Art Teacher』(美術教師)という曲です。
この物語は女性(生徒)の視点から語られます。学生時代に出会った若い美術教師に対して恋心を抱くお話です。
ある日、その若い先生は生徒たちをニューヨークのメトロポリタン美術館に連れて行ったそうです。
館内で、先生が生徒に聞くのです。
「皆さんの好きな作品はどれですか?」
そこで生徒はめいめい好きな芸術家の作品を答えていくのでしょう。
しかしその女生徒はこんな風に考えていました。
「私の好きな作品は"あなた"です」
実際は口に出してそんなことは言えなかったので、代わりに女生徒は、先生の好きな作品を尋ねます。
そして先生はこう答えます。
「ターナーの作品が好きなんです」
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それから長い時間が経ち、結局その女性はどこかの会社の社長と結婚をしてしまいます。
昔のように学生時代の制服ではなく、バリバリキャリアウーマンなスーツを着こなして、華やかな人生を送っているようです。
それでも、その若い美術教師のことを思い続け、自分に対してか、彼に対してか言葉を唱え続けます。(歌ではここがサビになります)
「あの頃から今まで、あなた以外の男を愛したことはない」
その言葉の証明なのか、それともよりどころなのか、その女性はターナーの作品をひとつ、手元に持っていたそうな...…
...というお話。めでたしめでたし…?
作曲したルーファスによると、この物語は反物欲主義の話...「金と愛」の話らしいです。年をとるとわかるであろう大人なテーマ…
どちらかに比重を置いた答えがある物語でもなさそうですけど、他人に話すと色んな感想が聞けそうですね。
音楽としても儚げ&ミステリアスで好きです。
Rufus Wainwright - The art teacher (Tiny Desk Concert)
(自分が好きな芸術家を見つけることができた曲でもあるのでお気に入りです)