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 広島県東広島市の山陽自動車道「八本松トンネル」で起きた多重事故で、2人を死亡させたとして自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の疑いで逮捕されたトラック運転手皆見成導(みなみなりみち)容疑者(33)=埼玉県越谷市=が広島県警の調べに対し、事故時に居眠り運転をしていたことを認める供述をしていることが捜査関係者への取材でわかった。県警は居眠りにつながる運行や勤務実態がなかったか調べる。

 事故は17日午前7時半ごろに発生した。皆見容疑者が運転するトラックが渋滞中の車列に突っ込み、計12台が絡む事故となり、車5台が炎上した。2人が死亡したほか、トンネル内にいて煙を吸った人を含め、67人が負傷した。県警は18日に前方不注意で事故を起こしたとして、運送会社ゴーイチマルエキスライン(埼玉県川口市)の運転手の皆見容疑者を逮捕していた。

 県警によると、皆見容疑者は16日午後6時ごろに埼玉県内を出発し、17日昼前後に福岡市内に到着する計画だった。渋滞の列にトラックが突っ込んだ場所には急ブレーキをかけたような痕跡はなかった。事故に巻き込まれた車のドライブレコーダーでは、トラックが約50メートルにわたって次々と車に衝突する間、ブレーキが踏まれた形跡が確認できなかった。

 捜査関係者によると、皆見容疑者は逮捕前、「トンネルに入り、(緊急停車で点滅する)ハザードランプを見て減速しようと思ったが、間に合わなかった」と話していたという。