子供の頃や学生時代に夢中になったゲームがある方は多いのではないでしょうか。
他方、ゲームビジネスも、かつては、家庭用ゲーム機や携帯用ゲーム機とそれらに専用のゲームソフトが小売店で売られている姿を思い浮かべればよかったかもしれませんが、今や、ゲームはゲーム機でしかプレイできないものではありません。
ゲームソフトについても、ダウンロード販売やインターネット配信など、販路が拡大しています。また、ビジネスモデルとして、無料でゲームを提供して、ゲーム内で利用できるアイテム(追加コンテンツ)が欲しいプレイヤーに課金してゆくビジネスモデルが広まるなど、ビジネス全体がより複雑になりました。
そこで今回、ゲーム産業の動向をみるために、経済産業省生産動態統計調査、第3次産業活動指数、その他関連統計を基に、ゲーム・ビジネス・インデックス(GBI)という指標を試算してみました。
ゲーム産業の主なプレイヤーは、ハードウェアを製造・販売するハードウェアメーカーと、ゲームを開発するデベロッパー、デベロッパーが開発したゲームを自社のブランドで販売するパブリッシャー、そして流通・小売業者です。
デベロッパーとパブリッシャーの利益配分は契約次第で様々で、どちらが開発費を支払うか?どちらが著作権を持つか?等によって大きく異なります。
このため、本分析ではデベロッパーとパブリッシャーを区別せず、「ハードウェア・インデックス」、「デベロッパー&パブリッシャー・インデックス」、「流通・小売インデックス」を各々推計し、更にそれらを統合したゲーム・ビジネス・インデックス(GBI)を推計しました。
では早速、GBI全体の動向グラフをみると、リーマンショック後の大幅な下落傾向が2011年頃に底を打ったものの、回復は緩やかで、一進一退を続けていることがわかりました。
特に大きな特徴は、いわゆるリーマンショックによって、世界経済、そして日本の産業活動も大きく低下した2009年よりも、その1年以上後に、GBIが低下していることです。
産業全体の活発さよりも、開発費用=開発投資の低下がGBIの推移を動かしているのではないかと解釈しています。
今回は、GBIの守備範囲と全体の動きを紹介いたしました。
GBIの変動要因と、GBIを構成する、「ハードウェア・インデックス」、「デベロッパー&パブリッシャー・インデックス」、「流通・小売インデックス」の動向については、次の記事でご紹介します。
◎ミニ経済分析
ゲーム・ビジネス・インデックス(GBI)|その他の研究・分析レポート|経済産業省
◎スライド資料
◎ミニ経済分析の一覧表