「民主党」は、なぜここまで嫌われたのか?
民主党と維新の党が合流した新党の名称が「民進党」に決定した。
世界の多くの国で社会状況や経済状況などによって政権が選択されていることを考えると、日本の政界に「選択肢」となる政党を用意しておくのは、国民本位で考えた場合、非常に重要なことだと思う。
民主党の岡田代表が、参院選に向けた選挙予想データを見て、民主党のあまりの不人気に驚き、今回の「改名」を決意したと噂されている。だが、事実はともかく、私の周りで聞く限りにおいても、「民主党」や「菅直人」というワードは、その存在以上に、国民の間での評価が低くなっている印象を受ける。
その理由については、「政権運営が果たせなかった」、「菅総理の震災対応が悪かった」などと指摘されるが、実際のところ、どの政策で誤ったのかについては、いまひとつよく分からない。
先日、「消費増税に転じさえしなければ、もう少し政権を維持できたのではないか」という意見をもらった。結局のところ、国民の懐を直撃する「増税」を行ったことがキーだったのかもしれない。
ただ、世代間格差の是正を求めてきた立場から見ると、持続可能な社会システムへの転換のためには、「増税」は社会保障改革と同じく大きな要素である。したがって、個人的には、菅総理、野田総理時代の英断や、実際に増税に踏み切った安倍総理については一定の評価をしている。
ただ、国民からしてみれば、自分たちの懐を痛める重大事をマニフェストにも掲げず、一気に増税へと転じた様は、まさに「裏切り」と感じたことだろう。また、その背景には財務省が描いたシナリオがあり、「脱官僚」を謳って政権を取った民主党の方針とは大きく異なる印象を受けたに違いない。
このあたりが、国民に痛みを強いながらも最後まで方針を貫いたことで支持率を保ち続けた小泉政権と大きく異なる点ではないだろうか。