年間を通して同じ地域に生息し、季節による移動をしない「留鳥」とされる韓国のウミネコが、550キロほど離れた日本で見つかった。
韓国の国立公園管理公団は20日、南部の慶尚南道・鴻島で昨年6月、移動ルートの把握と気候変動の研究を目的に足環を装着したウミネコのひな鳥が、4カ月後に徳島県で見つかったと明らかにした。韓国で生まれたウミネコのひな鳥がどこまで飛んでいくのかを確認した初のケースとなる。ウミネコは生後2-3カ月後に生まれた場所を離れるとされる。
このウミネコは昨年10月19日、右の羽が折れて釣り糸に絡まっていたところを徳島県の漁民に救助された。その後、山階鳥類研究所(千葉県)に送られ、担当者が同月末、韓国・国立公園研究院の渡り鳥研究センターに足環情報の確認を要請した。
また昨年には、日本から東南アジア方面に移動する渡り鳥「オオヨシキリ」が韓国の全羅南道・黒山島で発見された。クォン・ヨンス渡り鳥研究センター長は「留鳥であるウミネコのひな鳥の分布地域と渡り鳥であるオオヨシキリの移動ルートの確認は、鳥類の移動生態研究において非常に重要なこと。気候変動との関連性もあわせて分析していく計画」と話している。