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【ビジネスの裏側】
パナが世界中で“目”を光らせる…米警官が“実戦”で認めた実力、試される2020年五輪商戦
セキュリティシステム事業部の桑原麻理恵主任技師は「カメラを人間の能力に近づけることで、社会に安全・安心を提供したい」と話す。
3月7日からは映像解析技術などを生かした小型無人機「ドローン」の検知システムの受注もスタート。最大300メートル先のドローンの接近をマイクや全方位カメラなどを用いて検知・確認できる。オプションの旋回型カメラを使えば自動追従やズームも可能という。
担当者は「予期せぬドローンの飛来を早期に見つけることにより、警戒態勢を整えられる」と説明する。
ドローンは災害時やビジネスなどでの用途拡大が期待される一方、昨年4月に首相官邸にドローンが落下した事件が起きるなどテロや盗撮などへの悪用の懸念は強く、「ドローン対策のニーズは高まる」(同担当者)とみて、重要施設を多く抱える官公庁や警備会社などに売り込みを図る。
海外で高評価
パナソニックのセキュリティー事業は海外でも高い評価を得ている。北米ではパトカー向けの車載カメラと映像用レコーダー、頑丈なパソコンなどを組み合わせたシステムを警察に納入しており、昨年11月には警官が身につける小型ウエアラブルカメラも発売した。
米国では昨年8月に白人警察官が黒人青年を射殺する事件が発生。警察官の職務遂行への市民の目は厳しくなり、「警官の行動を監視したり、正当性を証明するニーズが高まっている。警官自身を守るためにも小型ウエアラブルカメラが重要」(セキュリティシステム事業部の高桑誠電気技術部部長)になっていることが背景にあるという。