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廃炉の時代(中)Q&A 原発から出る「ごみ」

国策と地方第8章 -先行する東海原発

2016年01月09日 10時28分

■高レベル廃棄物、地中深く「隔離」

 九州電力は玄海原子力発電所(東松浦郡玄海町)1号機について、年内にも解体作業に着手する計画だ。原発から出る廃棄物はどうなるのだろう。

 Q 原発から出る廃棄物には何か特徴があるの?

 A 原発はウラン燃料を燃やしているので、人体に有害な放射線を出す「放射性廃棄物」が出るのが大きな特徴だ。政令で大きく2種類に分けられ、「高レベル」と「低レベル」と呼ばれている。

 Q どう違うの?

 A 基準となる放射性物質の放射能濃度が一定の値を超えれば、すべて高レベル放射性廃棄物になる。原発でこれに相当するのは使用済み核燃料だけだ。

 Q 原子炉などは、高レベル放射性廃棄物ではないの?

 A 原発もほとんどの場所は「非放射性廃棄物」で、一般の産業廃棄物と同じだ。放射性廃棄物は全体の1%ほどで、核燃料の近くにある制御棒や原子炉の鋼板やコンクリートなどがある。でも、区分上は低レベル放射性廃棄物だ。

 Q 低レベルと聞くと、安全そうだけど。

 A 低レベルの廃棄物でも放射能はあって、人体に無害ではない。国は「ある程度時間がたてば、埋めた場所の上に人が住んでも問題ない程度まで影響は小さくなる」と説明している。ただ、埋めた場所を管理する期間はかなり長く、一番レベルが低い廃棄物でも50年、長いものは300~400年程度もある。

 Q じゃあ、高レベルはもっと長く管理するの?

 A 高レベルだと、影響が小さくなるまでには数百万年必要で、事実上「管理」はできない。だから国は、人が生活しない地下深くに埋めて「隔離」するとしている。でも、埋める場所はまだ決まっていない。

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