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【中国ネットウオッチ】台湾の政権交代で浮上した故宮博物院所蔵品の帰属問題 「返還せぬ」発言に中国ネット民の反応は意外にも…

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【中国ネットウオッチ】
台湾の政権交代で浮上した故宮博物院所蔵品の帰属問題 「返還せぬ」発言に中国ネット民の反応は意外にも…

宋、元、明、清の歴代宮廷コレクションを主軸に古代から清代までの多種多様な文物約69万点を所蔵する中国美術の殿堂「故宮博物院」=台湾・台北市(大山実撮影) 宋、元、明、清の歴代宮廷コレクションを主軸に古代から清代までの多種多様な文物約69万点を所蔵する中国美術の殿堂「故宮博物院」=台湾・台北市(大山実撮影)

 民進党は1月の総統選と立法委員選で完勝し、1986年の結党以来、立法院で初めて単独過半数を獲得した。その民進党が目下、推し進めようとしているのが「移行期の正義」。かつての独裁政権時代に国民党が行った人権侵害や特権を利用した公有財産の接収・私物化といった違法行為の追及だ。

 こうした動きに、当然、国民党側、特に中国大陸出身の外省人グループが反発。かつて国民党に所属した外省人で、台湾の野党「新党」の主席を務める郁慕明氏も反対し、2月下旬にフェイスブックで「国民党が大陸から運んできた黄金や故宮の宝物をまず返還してから言うべきだ」と訴え、物議を醸した。

 郁氏の主張はやや分かりにくいが、おそらく「台北・故宮博物院が所蔵する文化財の大半は『移行期の正義』を当てはめれば、本来、大陸に返還されるべきだが、民進党はさすがにそうはしないだろう。ならばそのような一貫性のない『移行期の正義』による過去の追及はやめろ」ということなのだろう。

 加えて、3月10日には、国民党が発表した党資産の報告書に、故宮博物院の文化財が、同党が中国大陸から台湾に移った当時の党資産と明記されていることが判明した。

 民進党委員と馮院長のやりとりは、こうした流れを受けて展開されたものだ。

 立法院の委員会での馮院長の見解や「大陸に返すべきだ」とする郁氏の発言は、中国メディアも報道した。

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