3月21日午後2時半過ぎ、中国浙江省杭州市にある中国EC(電子商取引)最大手・アリババ集団本社のホールには、同社の社員やメディア関係者が集まっていた。アリババ社員だという司会者が、同社の歴史を振り返る簡単なクイズを会場に投げかけた後、会場の大型スクリーンには13ケタの数字が大きく映し出された。
数字は2015年4月から現在までの、「淘宝網(タオバオ)」や「天猫(Tモール)」といったアリババの消費向けECサイトの総取引額を示しているようだ。2兆9999億元台を示す数字が徐々に増えていく。
そして2時58分37秒、13ケタ目の数字が「2」から「3」に変わると同時に大きな音楽が鳴り響いた。アリババが運営する消費者向けECサイトの年間総取引額が初めて3兆元(約51兆円)を超えた瞬間だ。
アリババは2003年に個人間取引サイトのタオバオを開設した。その後、タオバオから派生する形でBtoC(消費者向け)サイトのTモールが誕生。2012年に1兆元、2014年には2兆元を突破し、今年3兆元に到達した。2012年度と比較すると取引額は3倍に膨らんでいる。
「私たちは13年でこの瞬間にたどりついた」。3兆元に到達した後、壇上に立ったアリババの張勇CEO(最高経営責任者)はこう強調した。発表会での説明によると、世界最大の小売業である米ウォルマート・ストアーズが売上高3兆元に到達するまでに要した時間は54年。アリババはその4分の1ほどの期間で、成し遂げたというわけだ。