2016年3月23日00時53分
朝の空港と地下鉄の駅が相次いでテロの標的になった。ベルギーの首都ブリュッセルで計30人以上が死亡した爆発。現地に拠点を置く日本企業や日本人学校では社員や児童・生徒らの安否確認を急ぎ、卒業旅行シーズンでツアーを組む旅行会社も対応に追われた。
爆発があった地下鉄マルベーク駅から徒歩10分の距離にある大手邦銀のブリュッセル支店。「正直、びっくりした。動揺している。公共の場所を狙われてしまえば、気をつけようがない」。営業担当の日本人従業員の女性は戸惑った。
一報は「空港で爆発」だった。だが、ほどなく、地下鉄駅でも爆発があったとニュースで知った。マルベーク駅から出勤した社員も複数いた。従業員全員の無事は確認できたが、地下鉄が止まって出勤できない従業員もいるという。
現地の音楽学校でピアノを学ぶ尾関友徳さん(28)は朝、同居人の学生から「テロだ」と起こされた。住んでいるマンションは、マルベーク駅から数キロ離れているが、窓越しにパトカーのサイレンの音が聞こえた。ラジオやテレビが自宅や職場で待機し、外出しないよう呼びかけた。
ブリュッセルでは、昨年あったパリ同時多発テロの容疑者が逮捕されたばかり。尾関さんは「電車に乗るときなど、普段から周囲の様子や人の動きに注意してテロを警戒してきた。とうとう来たという感じ。しばらくは中心街には出かけないようにします」と話した。
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朝日新聞国際報道部
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