ムルアカ氏 「アフリカ丸ごと中国化」の手口を語る (2/3ページ)

2016.03.18

 このように中国は「道路を造るから鉱山を開発させろ」「空港を建設してやるから油田の権利をよこせ」「金を貸すから港を自由に使わせろ」と金と力にモノを言わせて、取引を迫ったのです。

 ジブチの港湾整備もその一環であり、今度は基地を建設するというのですから、軍事的な進出も警戒すべきです。

 資源と引き替えにでもアフリカの地元の雇用が増え、生活が豊かになるのなら問題ないのでは、と考える人もいるでしょう。

 しかし、中国の援助はいわゆる「ひもつき援助」です。インフラの建設工事や資源の開発作業を請け負うのは中国企業で、地元の企業や住民にメリットはありません。それどころか、環境破壊や森林伐採などデメリットが多い。深刻なのが中国企業が建設した道路で多発する感電事故です。

 中国はアフリカ各国に道路を建設しました。しかし降水量と排水能力を計算していないので雨期になるたび冠水します。地下に埋設された電線から、あふれ出した雨水に電流が流れ出して、感電死する人たちが大勢いるのです。

 手抜き工事をした中国企業を検挙しようにも企業名をころころ変えるうえ、実体がない会社も多い。当然、中国はアフリカ各国の政府要人に金品を与えて抱え込んでいるので、中国企業が責任を問われることは滅多にありません。

 アフリカでは中国人の犯罪も増加しています。一昨年にはケニアで77人の中国人ハッカーが銀行のシステムへの侵入を計画して逮捕されました。一説には彼らは中国当局の情報部員だったのではないかという話もあります。また2012年にはアンゴラで人身売買や強盗、強制売春などの罪で37人の中国人が検挙されました。したがってアフリカでは各地で反中感情が噴出しています。

NEWSポストセブン

 

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