先日、「誰かに批判されたときにとっさにどう対処すればよいのでしょうか」という質問をいただきました。
今日の記事ではまず、批判の種類についてお話します。
そして「どのように対処すればよいか」は、次の記事で書きますね。
対処方法の前に、まずはどういう批判があるのかを理解すると対処しやすいので。
一口に「批判」と言っても、ザックリ言って二つの種類がある。
- 役に立たない批判
- 役に立つ批判
の二つです。
「役に立たない批判」というのは、こんな感じ
人格否定の文章には特徴がいくつかあります。代表的な二つはこちら。
その1.主語が「あなた」であることが多い。
いわゆるユーステートメント(You Statement)というものが使われています。
詳しくは文末のリンク先をご覧ください。
主語が「あなた」ではなかったとしても、エネルギーが相手を責めるという方向に向かっています。
「私はあなたのせいでこんなひどい思いをしている」なども、一応ユーステートメントの類です。
その2.人格否定をしている(相手の「性質」を批判している)
「本当に身勝手」「空気が読めない」「使えない奴」など。
他には、「お前はバカだな」「あなたって冷たい」など。
相手が「こういう人である」ことについて批判していますが、人の「性質」って定義によりけりなのです。
Aさんにとって「身勝手だなあ」と思うBさんを、Cさんは「他人に気配りできる人だなあ」と思うかもしれません。
Aさんにとって「バカ」なBさんは、Cさんにとって天才かもしれません。
相対的な評価なんですよね。
何をもって身勝手やバカだと思うのかは、批判者にしか分かりません。
だから「なんであなたにそんなことを言われなきゃいけないのか」って思ってしまうわけです。
訳も分からないけれどもただ嫌なことを言われたということしか伝わりません。
そして、人の「性質」は今日明日変えることはできません。
仮に、誰から見てもBさんは身勝手だったとします。
「あなたは身勝手ですよ」と言われて、じゃあ「身勝手ではなくなります」と今すぐ変えるのは難しいでしょう。
しかもじゃあ、何をすればよいのかということも分かりません。
役に立つ批判:建設的批判
一方、役に立つ「批判」とは別名「建設的批判」と呼ばれています。
例を挙げると
-この間の原稿読みました。内容はすごく面白かったけれども、技術的な専門用語がたくさん使われているので、多分、素人には理解しずらいかもしれません。例えば「アサーション」という言葉を使われても、多くの日本人にはピンとこないので、最初に分かりやすく説明したらもっと読みやすくなるのではないかと思います。
建設的な批判の特徴は、個人的な人格否定ではなく、具体的にどこをどうすれば良いのか(行動)について話しています。
ユーステートメントでもありません。
そしてそのようにするとどうなるか(どうよくなるのか)が述べられています。
仕事等のパフォーマンスに関する建設的批判は比較的、簡単です。
個人的な特徴に関する建設的批判は少しトリッキーではありますが、やはりフォーカスを相手そのものに置くのではなく、状況や行動に移せば大丈夫!
ビフォア(あんまりよくない批判):
アフター:もうちょっと建設的な批判
(お願いっていうスタンスで伝えるのもグッド!):
運転に慣れていない私にとっては精神的にいっぱいいっぱいな 状態の時に誰かにどなられると、さらに怖くなって運転できなくなる。
なので、声を上げたりせかさないで、穏やかな声で注意してほしい。そうすれば私も落ち着いて運転できる。
キーワードは相手への攻撃にフォーカスしないこと!!
行動をちょっと変えてください、そうしたらこうなるよ、という感じで伝えると良いです。
私のケース
ちなみに、私が個人的に言われたことのある「役に立たない批判」でお気に入り(笑)のものは、こちらのふたつです。
→冬に帰国したときに、電車で扱ったのでコートを脱いだら(下は半そで)、その時隣にいた当時の知り合いに言われました。
当時ウィスコンシンというめちゃめちゃ寒い所に住んでいたので、私にしては暑かったと言うだけですが。
どうやら、周りの人とは違うことをされると目立つからこっちが恥ずかしい、ということでした。
それだったら「私のために、周りから目立たないようにコートを着ていてほしい」と言ってくれた方がまだ響きます。(具体的な行動をお願いしてくれているので。)
ま、・・・・同意しませんけどね。
おっしゃる通りです。
私はブログに、当たり前のことしか書きません。
・・・ダメなんスか?(^^;
もちろん、役に立たない批判をされたのですが、掘り下げて行ったらすごく役に立つものだった、というケースもたくさんあります。
それは次回の記事で!
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