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韓国の国会議員が反日・愛国パフォーマンスに走るワケ ソウル・黒田勝弘
韓国の国会議員が与野党問わず、竹島問題や慰安婦問題など反日に熱心なのもそのせいといってもいい。大向こう受けのする反日・愛国論は、専門的な知識や経験がなくても弁舌だけでやれるからだ。
一方、今回の選挙の見モノとしては、野党陣営が主流の「共に民主党」と新党「国民の党」に分裂したことから「与党セヌリ党の勝利は確実」というのがもっぱらの見通しだ。そのため話題の中心は与党内の朴槿恵(パク・クネ)大統領派と非朴大統領派の派閥争いに、つまり公認争いになっている。
政界筋によると、非朴大統領派の中心は次期大統領を狙う金武星(キム・ムソン)・党代表で、これを機に勢力拡大を図ろうとしている。これに対し朴大統領派は、金武星氏を嫌い次期大統領に潘基文(パン・ギムン)・国連事務総長を担ぎ出したい朴大統領の意向をくんで金武星一派の追い落としを狙っているというのだ。
従って今回の国会議員選挙は来年12月の次期大統領選に向けての前哨戦というわけだ。いささか長丁場になるが、韓国の政治の季節のスタートでもある。