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韓国の国会議員が反日・愛国パフォーマンスに走るワケ ソウル・黒田勝弘
党公認問題が大騒ぎになる背景には、韓国政治がきわめて中央集権的ということがある。候補選びも党中央の「公薦委員会」が一手に引き受け、いわばすべて天下り式に決定される。その結果、地域住民の支持が高くても、党中央での派閥の案配や大統領への忠誠度など政治的判断で公認を外される。現役議員でも党中央の都合で出馬選挙区の移し替えが平気で行われる。
韓国は李朝時代から圧倒的な中央集権国家で、日本の「藩」のような地方政権は存在しなかった。このため地方の統治者はすべて中央から派遣され、地方自治的な考えは存在しなかった。この“天下り体質”が今も尾を引いていて、中央は勝手に地方をコントロールしようとし、地方はいつも中央ばかり見てその鼻息をうかがうという構造が続いているのだ。
選挙のたびに議員の入れ替え(韓国では「ムルガリ」という)が激しく新人が多いため、議員は専門性に欠ける。日本での「税制の神様」みたいな官僚顔負けの専門議員は極めて少ない。そこで最も簡単な存在誇示としてマスコミ受けのする愛国パフォーマンスに走る議員が多くなるというわけだ。