ここがヘン!ムズカシイ!
外国人から見た日本のマナー
日本のマナーについても意見が寄せられた。
「ビニール傘が大量に捨てられているのを見て衝撃を受けた。どうしてあんなにたくさんモノを路上に捨てるのか考えられない」(ブルガリア/31歳男性)
日本は「街中や地下鉄の清掃が行き届いている」と言われることもあるが、普段暮らしていると当たり前のようになっている光景が、外国人からはこんなふうに見えることがある。
「その土地土地の様式が異なるから、東京とそれ以外の場所に行ったときでは、その違いに戸惑うことが多かった。大阪と東京のエスカレーターの並ぶ場所など、同じ日本なのにタブーとされることが違って難しかった」(フランス/男性)
「『外国人お断り』の銭湯があって、悲しかった。入れ墨が入っているわけでもないのだから、融通をきかせてほしい」(アメリカ/男性)
「築地市場に遊びに行ったことがあるが、写真を撮っていたら“No Photo”という小さい看板を指差されてすごい剣幕で怒られた。海外の観光本では観光スポットとして有名なのに…と思ったし、ダメならダメでもう少し大きくてわかりやすい表示をしてほしいと思った」(アメリカ/29歳男性)
「温泉に行った時に体を洗わず、いきなり湯船に浸かったら、おじいさんが日本語で怒り出した。わけがわからず、周りの人に視線で訴えると身体を洗ってから入るのだと教えてもらった」(中国/40歳男性)
注意する方は「また外国人が」という気持ちかもしれないが、来日が初めてという観光客も多い。知らないことをいきなり叱りつけるのではなく、寛容な気持ちで日本のマナーを教えたいもの。外国に行った際、慣れない土地で失敗をしてしまう可能性は誰にでもあるはずだ。
ここまで外国人観光客からの疑問点や不満点を紹介してきたが、実は街中で50人近くに話を聞いたが、多かったのは「(不満点は)何もない」「みんな親切で最高」「好きな国だから旅をしているし、多少不便なことがあっても楽しむ」といった声。悪いところを発見し、改善しなければというのは日本人の「真面目」と言われる国民性ゆえなのかもしれないが、良いところをさらに伸ばしていくのも大事だろう。
英語が拙くても、場所によって通信環境が整わなくても、「困っている外国人観光客がいたらサポートしたい」という気持ちがあれば、態度で伝わるはず。日本をもっと楽しんでもらうために、個々のおもてなしスキルを伸ばしていきたいものだ。