病院前にはテレビカメラ10台以上が集結し、病院1階のコンビニには、「清原」の見出しで前日の騒動を伝えるスポーツ紙がずらり。周辺にはやじ馬も殺到した。そんな周囲の喧噪とは対照的な病室前の閑散とした雰囲気は、保釈前に「身元引受人がいない」とまで報じられた清原被告の孤独ぶりを改めて感じさせた。
「正常値100−140とされる血糖値が900以上に達している」(事情を知る医療関係者)という清原被告は当面、深刻化した糖尿病の治療を行う。その後、取り調べで「やめたくてもやめられなかった」ともらしたという覚醒剤の依存から回復を目指す見込みだ。しかし、待ち受けるハードルは高い。
薬物依存に詳しい精神科医でヒガノクリニック院長の日向野春総氏は、「覚醒剤を繰り返し使用すると、耐性ができてくる。同じ効用を得ようとすると使用量が増えていき、依存から抜け出すことが難しくなっていく」と指摘し、こう続ける。
「覚醒剤の主成分『アンフェタミン』『メタンフェタミン』は、ドーパミンを脳内に大量に放出して快感中枢を刺激する。依存を完全に克服するためには、脳内に残った“快感の記憶”を取り除かなければいけない。そのため、依存症の治療は非常に困難だ」
覚醒剤の効力が切れたときに現れる禁断症状も清原被告を苦しませる。