NTTドコモは3月22日、定額制アニメ配信サービスの「dアニメストア」について、アニソンミュージッククリップの配信、アニメイトとのグッズショッピング連携、視聴対応のブラウザを拡充するといった、サービス拡充施策を3月23日から実施すると発表した。
アニメを「見る」だけではなく、アニソンミュージッククリップで「聴く」、グッズを「買う」というニーズに対応
dアニメストアは月額400円でアニメ作品が見放題になる定額制配信サービス。2012年7月からサービスを開始し、当時は500作品(1万話)だったが、現在は1600作品(2万9000話)まで拡大。会員数も3月時点で200万人を有するなど国内でも最大規模のアニメ定額配信サービスとなっている。
都内で開催された発表会で、同社のプラットフォームビジネス推進部 担当部長の田中伸明氏は、「これまでdアニメストアはアニメを『見る』という点を中心にして展開を行ってきた」と語る一方、アニメを見た後に生まれるニーズは多種多様あると説明。今回の新サービス展開は、ニーズのなかから「聴く」と「買う」というところにスポットをあてたものだという。
その「聴く」にあたるのがアニソンミュージッククリップの追加。田中氏は、アニソンが音楽市場でも柱のひとつとなるほどに市場規模を持っていることや、アニメ作品には主題歌だけではなく挿入歌やキャラソンなど数十の関連楽曲が存在することを説明。ミュージッククリップはアーティスト映像のほかノンテロップアニメ映像、さらにはdアニメストア限定の映像も配信する。開始時には約180曲を用意。それぞれ作品ページから関連楽曲に遷移できるようにしているという。
もうひとつの「買う」にあたるのが、アニメイトとのグッズショッピング連携。田中氏はアニメ作品には数百の関連グッズが存在するうえ、アニメ産業市場としても割合が大きく成長傾向にあるという。アニメイトとの連携は、作品ページでグッズの紹介を入れつつ、ECサイト「アニメイトオンラインショップ」に遷移し、購入が可能となる仕組み。またアニメイトオンラインショップにもdアニメストア店を設置し、dアニメストア会員向けのキャンペーンなどの企画も展開する。
またデバイスの拡充施策としてHTML5プレイヤーを導入し、PCでの対応ブラウザに「Google Chrome」「Microsoft Edge」を追加。また連続再生に対応するなどプレイヤーの機能も強化を図ったとしている。
なお、この先の事業展開として、ドコモのポイントサービス「dポイント」と連携し、dアニメストアを利用するとdポイントがたまるといった取り組みを進めていくことも示唆した。
質疑応答のなかでは、聴くというニーズにあわせたアニソンミュージッククリップの追加に関連して、アニソンの音楽配信サービスの展開の可能性について質問が挙がったが、田中氏は「考えていない」と回答。「一般的な音楽とアニメソングでは、聴いている人のモチベーションや聴き方が違うと感じている」とし、今回映像とセットとなっているアニソンミュージッククリップの提供を通じて、アニソンに対するニーズや使われ方などを調査しながら、今後のサービス展開について検討したいとも付け加えた。また今後の課題としてはドコモ以外のユーザーの獲得を挙げ、認知度拡大に向けた施策も続けていくとしている。
発表会では、多くのアニメ主題歌をうたう歌手の黒崎真音さんも登壇。アニメ「がっこうぐらし!」エンディングテーマを収録したCDのジャケット写真で着ていた衣装で登場したほか、dアニメストアの特徴をイラストで披露するなどアピールした。