【社説】日本より経済活力がない韓国、このままでは衰退を止められない

 韓国の失業率が昨年2月から今年1月まで、12カ月連続で日本を上回ったことが分かった。韓国の1月の失業率(季節調整値)は3.4%、日本は3.2%(同)だった。先ごろ発表された2月の韓国失業率は前月比0.7ポイント上昇の4.1%で、当面は韓国の失業率が日本より高い状態が続きそうだ。こうした状況はアジア通貨危機以来、17年ぶりとなる。「失われた20年」を経験した日本よりも失業率が高くなったというのは衝撃的だ。

 もっとも、3%台前半という日本の失業率は先進国の中で並外れて低い。日本では20年前に始まった生産年齢人口の減少で労働力不足が深刻なことに加え、アベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)による景気浮揚効果も重なった。

 とはいうものの、韓国の昨年の経済成長率は2.6%で、0.4%にとどまった日本よりも高い。成長スピードが速いにもかかわらず失業率が高いということは、成長が雇用の増加につながっていないということに他ならない。さらに深刻なのは、経済活力を示すほかの指標だ。輸出は日本を上回る減少率を記録し、物価上昇率は日本を下回った。内需と輸出がそろって日本よりも低調だということだ。

 まだ先進国の仲間入りを果たせずにいる韓国経済が、高齢化と人口減少に直面している日本を上回る「無気力状態」に陥ったのは、変化と構造改革の努力を怠った結果だ。企業はいくつかの産業の成功に酔いしれ新産業への参入を先送りした揚げ句、売り上げと利益が減ると何よりも先に人員削減に乗り出した。日本がこの5年間、370兆ウォン(約35兆円)に達する合併・買収(M&A)で産業体質を改善しようともがいていたのとは対照的だ。

 また、政府と教育業界は就職活動をする学生の70%が大卒者という偏った構造を放置し、改革を先延ばししている。日本の大卒者の比重は20年前、若者失業率が上昇し始めた当時でも30%台を超えなかった。硬直的な労働市場を変えるには改革法案の成立が急がれるが、国会はまひ状態だ。

 この5年間、2-3%台の低成長が続いたにもかかわらず、産業、教育、労働など各分野では20年、30年前からの旧態がそのままだ。政治は経済の最大のリスク要因となって久しい。問題が問題に見えない慢性化現象まで現れている。このままでは韓国は衰退を止められない。

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