有近隆史
2016年3月22日23時08分
埼玉県議会最大会派の自民党県議団から、質問されない形で「無視」されている上田清司・同県知事が22日、25日閉会する今の議会で、自民県議からようやく2度目の質問を受けた。最大会派が自ら知事の答弁を封じている形で、首長のチェック役としての議会の役割が改めて問われそうだ。
1兆8805億円の新年度予算案を8日間審議した予算特別委員会最終日の22日、総括質疑で知事と県議会側との質疑時間はわずか2時間半。他会派より割り当てが長い自民議員ですら「予算編成に込めた思いは」など表面的なやりとりで、議論は深まらなかった。
昨年12月の議会運営委員会で、知事出席の総括質疑の時間をこれまでの2日計11時間から、1日2時間半へ大幅に減らす要領改正が自民の主導で決まる一方、出席者を部長ら事務方に限る「部局別質疑」を新設。2月19日開会の今議会で、自民県議が知事に質問したのは代表質問の1回だけで「無視」を続けてきた。
自民がこうした挙に出るのは、上田氏が自らの任期を3期12年とした多選自粛条例に反し、昨年8月に4選したことに猛反発。「4期目の知事は存在しない」(幹部)と位置づけるからだ。
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