平成27年(2015年)労働者派遣法の改正についてまとめました!

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平成27年(2015年)労働者派遣法の改正についてのまとめ



労働者派遣法は、正式名を「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」といい、派遣として働く労働者を守るための法律です。


平成27年9月11日、改正労働者派遣法(「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働所の保護等に関する法律等の一部を改正する法律」)が成立し、同月30日より施行されました。この記事では、労働者派遣法のどのような点が改正されたのか、主な改正点をまとめます。



①派遣事業の許可制への一本化


改正前:一般労働者派遣事業(許可制)と特定労働者派遣事業(届出制)の2つ


改正後:一般、特定の区別がなくなり、すべての労働者派遣事業が許可制に


改正前、日本における労働者派遣事業には「一般労働者派遣事業」と「特定労働者派遣事業」の2種類が存在しました。前者は派遣元に常時雇用されない労働者(短期間の労働者や日雇いを含む)を派遣する形態で、後者は派遣元に一定期間常時雇用される労働者を派遣する形態です。



この2種類は運営形態のほかに、前者は許可制であるが後者は届出制という違いがありました。「一般労働者派遣事業」はその運営に許可が必要で、厚生労働省の提示する許可基準(キャリア形成支援、資産額、事業所の面積等)を満たす必要がありましたが、それゆえに、許可基準を満たさない事業所が実際は「一般労働者派遣事業」であるにもかかわらず「特定労働者派遣事業」と偽って運営するという事例が存在しました。

そこで今回の改正では、この区別が廃止され、全ての労働者派遣事業が許可制へと一本化されることとなりました。



②専門26業務の廃止


改正前:専門26業務への派遣事業は期間制限なし、その他の自由化業務は期間制限あり


改正後:専門26業務を廃止し、全ての業務で期間制限を適用改正前まで、派遣業務は専門性の高い「専門26業務」とその他のいわゆる「自由化業務」区別されており、自由化業務は原則3年以内の派遣期間が定められていましたが、専門26業務は期間制限が適用されていませんでした。



しかし、この2つの区別が難しくなってきていることや、パソコン操作など現在では専門的とはみなされない業務が含まれること、3年を超えて業務を行う専門26業務の従事者は専門業務以外の自由化業務ができないことなどを踏まえ、今回の改正では専門26業務が廃止され、全ての業務で原則3年間の期間制限が設けられることになりました。

期間制限については次の項目で具体的にご紹介します。



③新たな期間制限の制定


改正前:専門26業務を除き、業務ごとに最長3年の期間制限


改正後:全ての業務で、「派遣先事業所単位」と「派遣労働者個人単位」の期間制限


改正労働者派遣法では、「派遣先事業所単位の期間制限」と「派遣労働者個人単位の期間制限」という新たな期間制限が制定されました。


「派遣先事業所単位の期間制限」とは、派遣先の同一の事業所に派遣できる期間を原則最長3年間に制限するというものです。3年の間に派遣労働者が交替したり、他の契約に基づく派遣労働者を採用した場合でも、派遣期間の起算日は変更されません。つまり、ある人(Aさん)が派遣業務を開始したとき、1年前からすでに別の人(Bさん)が派遣業務を行っていた場合、Aさんが業務をできるのはBさんが業務を開始した日から3年間、すなわち2年間となります。ただし、派遣先事業所は、過半数労働組合等から意見聴取を受ければ、3年をこえて派遣労働者を受け入れること(期間制限の延長)が可能となります。



「派遣労働者個人単位の期間制限」とは、同一の派遣労働者を派遣先事業所の同一の組織単位に派遣できる期間を原則最長3年間に制限するというものです。前述の事業所単位の期間制限を延長しても、個人単位の期間制限をこえて同一の労働者を派遣することはできません。組織単位を変えれば、3年をこえて同一の事業所に同一の労働者を派遣することが可能ですが、その場合は事業所単位の期間制限が延長されていることが必要です。(※組織単位とは、いわゆる「課」など、業務としての類似性・関連性のあるものを指します。)


ただし、以下のような場合は例外として期間制限がありません。

・派遣元に無期雇用されている場合


・60歳以上である場合


・終期が明確な有期プロジェクト業務の場合


・日数限定業務の場合


・育児休業や介護休業等を取得する労働者の業務を行う場合



④雇用安定措置の義務化


改正前:雇用安定措置が派遣元の責務であるとは明記されていなかった


改正後:派遣元の雇用安置措置が義務化された


雇用安定措置とは、派遣労働者の派遣期間終了後の雇用を継続させるための措置のことで、派遣元事業主が派遣労働者に対して行う雇用安定措置には


以下の4つがあります。


 1.派遣先への直接雇用の依頼


 2.新しい派遣先の確保・提供(労働者の居住地やこれまでの待遇等照らして合理的なものに限る)


 3.無期雇用とし、自社で就業させる


 4.その他雇用の安定のために必要な措置(有給の教育訓練、紹介予定派遣など)


派遣元事業主は、同一の組織単位に継続して3年間派遣される見込みのある労働者に対しては上記の1~4のいずれかを行う義務が、1~3年派遣される見込みのある労働者に対しては上記の1~4のいずれかを行う努力義務が、それ以外の労働者で雇用期間が通算1年以上の労働者に対しては上記の2~4のいずれかを行う努力義務があります。



⑤その他の主な改正点


・キャリアアップ措置の義務化

派遣元事業主は、派遣労働者のキャリアアップを図るための教育訓練等の措置を行うことが義務付けられました。派遣元が希望した場合には派遣先も、労働者が教育訓練を受けられるよう可能な限り協力しなければなりません。



・均衡待遇の推進

派遣労働者と、派遣先で同種の業務を行う労働者の待遇を均衡化するため、派遣元には派遣労働者への待遇に関する説明など、派遣先には情報提供や教育訓練への配慮など、それぞれに新たな責務が課されることとなりました。



・労働契約申し込みみなし制度

派遣先が特定の違法派遣を受け入れた場合、その時点で、派遣先が派遣元の労働条件と同じ条件を内容とする労働契約をその派遣労働者に対し申し込んだものとみなされます。この制度は、平成24年の改正法に基づき平成27年10月1日より施行されました。



以上のような改正点を見ると、派遣事業の適正な運営の強化はもちろん、労働者派遣法がより「労働者の保護」という点に重点をおいた法律に改正されたように感じられます。この改正に基づく派遣元・派遣先の双方による適正な派遣事業の運営・管理により、派遣労働者の正規雇用への移行が推進されることが期待されます。

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