「明月記」原本の一部発見=藤原定家の日記—岡山・林原美術館
新古今和歌集の編さんで知られる鎌倉時代初期の歌人、藤原定家(1162〜1241年)の日記「明月記」の原本の一部を発見したと、林原美術館(岡山市)が22日発表した。
明月記の原本の大部分は冷泉家時雨亭文庫(京都市)が所蔵し、国宝に指定されている。今回見つかったのは、1213年2月、当時は侍従だった定家が息子の為家を連れ、焼失して再建された天皇の邸宅「閑院殿」を見回った内容が6行書かれており、これまで写本でも内容が伝わっていない部分だった。
昨年3月から東大史料編纂(へんさん)所の共同研究チームが同館所蔵の「日本古筆手鑑(てかがみ)」に収録されている古い書物の断片243点の研究を進め、その中から発見した。
門や建物の名称が細かく記されており、調査した藤原重雄・東大助教は「建物の内部構造が記され建築史の史料としても意義がある」と話した。同館の企画展で4月12日から一般公開される。
[時事通信社]