スマホのロック FBIが独自解除の可能性

テロ事件の容疑者が使っていたスマートフォンのロック機能の解除を巡り、アメリカのIT企業アップルとFBI=連邦捜査局が対立している問題で、FBIは21日、ロックを独自に解除できる可能性が見つかったとして、裁判所で予定されていた審理の延期を求めました。
この問題は、FBIが、去年12月、カリフォルニア州で起きたテロ事件の捜査のため、容疑者が使っていたスマートフォンのロック機能を解除するようアップルに求め、裁判所が協力を命じたのに対して、個人情報の保護を理由にアップルが拒否し、命令の取り消しを申し立てているものです。
今週、カリフォルニア州の連邦地方裁判所でFBIとアップル双方の代表が出席し、審理が行われることになっていましたが、FBIは21日、「ロックを解除できる可能性が見つかった」として審理の延期を申し入れました。
裁判所に提出した文書の中でFBIは「20日、日曜日に外部の組織からロックを解除できる可能性がある方法について提示があった」としたうえで、有効であればこの件に関してのアップルの協力は必要なくなり、検証のため時間が必要だとしています。
FBI側の申し入れを受けて、22日に予定されていた裁判所での審理は延期されました。
一連の問題を巡っては、捜査のためにアップルはロック機能を解除すべきだという意見がある一方で、個人情報が流出し深刻な人権侵害につながるおそれもあるとして反対意見もあり、議論の行方が注目されています。