全日本空輸で22日午前8時20分ごろ、発券システムに不具合が発生した。全国の国内線で搭乗手続きが行えなくなり、午後0時30分時点で87便が欠航し、約1万300人に影響した。遅延も相次いだ。空港の搭乗手続きシステムは午前11時30分ごろに復旧した。

 全日空によると、不具合が発生したのは予約販売や発券などを担う「総合旅客システム」。全国に4台あるホストコンピューターのうち、複数に不具合が出たという。処理能力が大幅に低下した影響で、カウンターや自動チェックイン機で手続きができなくなった。欠航便については、他社便への振り替えや返金などの対応をしている。

 全日空と同じ予約・発券システムを使っている航空会社でも欠航や大幅な遅延が相次いだ。午後1時現在の欠航はスターフライヤー10便、エア・ドゥ4便、アイベックスエアラインズ4便、ソラシドエア4便。

 東京・羽田空港では、手続き再開を待つ利用者の長い列ができた。都内に住む主婦、大瀧晴己さん(36)は子どもを連れて福岡県に帰省する予定だったが、「こんなことになるなんて。福岡空港で母が待っているんですが」と困惑していた。

 全日空に対し、石井啓一国土交通相は同日の閣議後会見で、「影響と原因を確認し、利用者への対応をしっかりと行うように指導した」と述べた。

 全日空では、2月24日にも、同じシステムに不具合が起きた。この際も、カウンターや自動チェックイン機での手続きができなくなり、一部の便が遅れた。