年齢を重ねていくにつれて、「物忘れが酷くなってきたな」などと、感じられることも増えてきますよね。
これは年齢が上の方だけではなく、若い人たちも物忘れや記憶力が悪いなと感じていることを、改善したいと思っているのではないでしょうか。
それが原因で、勉強したことがなかなか覚えられずに、テストで良い結果が出ないことや、仕事の能率が悪くなってしまうことなど、悩まれている方も多いですよね。
記憶力アップのために、何も対策を取らないままでいると、ストレスなども溜まる一方で、悪循環になってしまいます。
しかし、本来人間の記憶力というのは、みなさんが思っているほど、個人個人で大差なんてないのです。
そもそも天才と呼べるような記憶力が高い人たちもいますが、そんな人たちは世界的に見ても稀な存在で、それ以外の大多数の人たちにほとんど差はありません。
では、なぜ記憶力が良い人と悪い人の差が生まれてしまうのか?
それは、記憶したいことを忘れないために、「脳に記憶を定着させる対策を取っている人かどうか」というところで差が生まれてしまいます。
これから、そんな差を埋めて、記憶力をアップさせるために、どんな方法があるのかご紹介していきます。
また、方法だけではなく、根本的な原因や記憶力を良くしていくための仕組みなども含めて、これからお話をしていきます。
1.記憶力に個人差なんてない
先に言っておきますが、世の中には天才と呼ばれるくらい頭の良い人は存在します。
それに関しては、否定しません。
実際に、世界にはMENSAと呼ばれる人口上位2%の高IQの人しか入会することができない団体もあります。
ただし、そんな人たちは世界的に見たら少数派の話で、あなたが頭の良し悪しを比較する必要もない人たちです。
(そもそも正確に言うと、IQが高いからと言って記憶力の高さに直結しません。)
もっと一般的なところで見ていくと、人の記憶力に個人の能力差なんてありません。
むしろ平等と言ってもいいぐらいです。
では、記憶力が良いと言われている人と悪いと言われている人とでは、何が違うのでしょう?
これからお話していきます。
1-1.人間は忘れていく生き物
人間は、脳の中に同じだけ情報を入れることができますし、容量に変わりはありません。
それならなぜそういった差が生まれてしまうのでしょうか?
それは……
【人が平等に持っている脳内の容量を、上手く使いこなせているかということです】
記憶力がないと言っている人は、決して記憶できていないわけではなく、
【覚えたことを忘れてしまっているだけなのです!】
この現象は忘れてしまっているだけで、決して記憶力が悪いということではありません。
もちろんこれは特定の人だけの話ではなく、みんな同じように忘れてしまいます。
1-1-1.エビングハウスの忘却曲線
下の図は、【エビングハウスの忘却曲線】と呼ばれる心理学者のヘルマン・エビングハウスが導き出した、人の忘れる仕組みを曲線化したものになります。
この忘却の曲線は、どの人にも当てはまるのです!
忘れることに個人差なんてないのです!
1-2.忘れていく情報を忘れさせないようにする
【1-1】の話で、人は忘れていく生き物なのだということが、わかってもらえたと思います。
あなただけが……
・記憶力が悪い
・物忘れが激しい
なんて悩みを持つ必要はないのです。
覚えたことに対して、何らかの記憶するための対処を取らない限りは、皆同じように忘れていきます。
*あなたがこれから記憶力をアップするには……
・自分だけが記憶力が悪いというわけではない
・忘れていく現象に対処を施し、情報をそのまま放置しないこと
・人は皆同じように忘れていく生き物
これらのことをしっかりと理解し、記憶を忘れさせないようにしていくかが重要です!
1-3.繰り返し思い出して復習していくことが重要
では実際に、記憶力が良いと言われている人たちは、何をしているのでしょうか?
それは……
覚えたことを繰り返し何度も思い出して、復習していきながら記憶をしっかりと定着せている!
記憶力を高めるためには、この【復習する】ということが、とても重要になってきます。
1-3-1.「記憶」=「覚えておくこと」は間違い
みなさんは記憶することを、覚えておくことだと、思っているかもしれませんが、厳密に言うとそれは違います。
確かに記憶することは覚えるということになりますが、記憶力を上げるという観点から見た場合は……
【覚える】
(最初の物事を覚える段階のことだけを指す)
↓
【繰り返し思い出す】
(記憶力を向上させるにはこれが重要)
記憶することは【覚えておくこと】というよりも、繰り返し思い出して、【覚え続ける】ということが大事な要素なのです。
1-3-2.何度も復習すること
ここで単刀直入に言ってしまいますが、この記事において一番重要で言いたいことは、
【記憶というものは、何度も繰り返し思い出して復習する!】
これに尽きます。
*お子さんの場合は……
・授業後すぐに復習する
・帰宅してからも今日学習したことを振り返って復習する
・特にテスト前などは繰り返し思い出すこと
*大人の場合は……
・仕事中に重要なことは必ずメモを取るようにする
・業務に関わる人の名前をメモしておく(特に取引先の人など)
・その日の仕事内容を見直しながら、業務日報などを書くようにする
このように、記憶するべきことを常に繰り返し思い出して復習することを意識してください!
1-4.復習+工夫をおこなって記憶していく
【1-3】で復習することの重要性について、お話してきましたが、より記憶力を高めていくためには、それだけでは駄目です。
復習することにプラスαで、ちょっとした工夫を施しましょう。
そういった工夫をするだけでも、記憶の定着率は格段に上がります。
1-4-1.脳に強い印象を与える
記憶力を高めていくことに、復習して繰り返し思い出すことは重要ですが、さらに強化していくには、【脳に強い印象を与えること】も重要です。
実は……
記憶したことを、全て頭の中にインプットさせることは限界があります!
↓
そのため……
記憶を仕分けしてあげる必要があるのです!
↓
仕分けしてあげるには……
覚えたい記憶を重点的に記憶し、強い印象を脳に与えると記憶しやすくなります!
※例えば……
・衝撃的な映像または写真
・感動的な映画やお話
・悲しい出来事
このような思い出に残ることやインパクトのある出来事は、月日が経っても自然と覚えていますよね。
そうやって脳は強い印象を与えられることで、しっかりと記憶されていくのです。
1-4-2.自分の記憶しやすい方法で覚える
脳に強い印象を与えると同様に、記憶力を高めるには、自分の記憶しやすい方法で覚えるということも重要です。
*例えば……
昔からよく使われている、「鳴くよ(794年)ウグイス平安京」などの語呂合わせで覚えるというのも、理にかなった1つの方法です。
*それともう1つ……
よく言われるのが、【勉強ができる人の書いたノートは綺麗ということです!】
ただし、これは実際に頭の良い人がノートの書き方が上手いということではないです!そういう人たちは、自分が記憶しやすいノートの書き方をわかっているのです!
このように、自分が記憶しやすい方法を実践できている人は記憶力が向上し、必然的に他人よりも勉強や仕事ができる人になる可能性が高くなります。
1-5.脳は記憶したくないものは覚えない
人の脳というのは、あなたが思っているほど利口なものではないです。
実は……意外と都合良くできています!
*覚えたい好きなことなどは……積極的に覚える
*嫌いなことや苦手な分野などは……無意識の内に脳がシャットアウトしてしまう
❝覚えたいものは覚えて、覚えたくないものは覚えないようにできています❞
ご覧の通り脳というヤツは、結構都合の良いヤツですよね!
記憶力が良いと言われている人たちも……
同じように嫌いなことや覚えたくないものは覚えません。
ただし、好きなことや覚えたいものに関しては……
何度も繰り返し復習して積極的に覚えていくため、自然と記憶力が良い人になっていくのです。
1-6.記憶力も年齢的な衰えには勝てない
先ほどから、一般的に人には記憶力の個人差なんて無いということをお話してきましたが、これはあくまでも同年代ぐらいの人たち同士の話であって、当然若い人たちと年配の人たちとでは差が出ます。
人間は……
肌や筋肉など年齢とともに徐々に体が衰えていきます
↓
これに関しては……
脳にとっても同じことで、体が衰えていくとともに脳も衰えていきます!
そのため、どれだけ記憶の容量に個人差がないとは言っても、脳が正常に働きづらくなってくれば記憶もしづらくなってきます。
例えるなら……
どんなにスター選手と言われるプロスポーツ選手がいても、資本である体や能力が怪我や年齢を重ねることで衰えていき、若い選手たちには勝てなくなっていくものですよね。
記憶力もこれと同じことなのです!
年齢を重ねていくにつれて、若い時よりも記憶力が悪くなってきたなと感じる人も多くいらっしゃいますが、それは決して記憶力が悪くなったわけではなく、加齢によって脳が衰えてきているだけです。
そこに関しては勘違いをしないでもらいたいですね!
2.記憶力の低下を改善する方法
ここからは、実際に記憶力が低下していくのを防ぎ、改善していく方法をご紹介していきます。
復習していくことはもちろんですが、より記憶を定着させるための時間帯や方法についてお話します。
2-1.朝の時間帯に覚える
朝の時間帯は、脳が一番記憶しやすい時間帯と言われています。
朝は……
・睡眠によって脳が十分な休息が取れているため
・午前4時~午前10時頃までが一番記憶しやすい
・睡眠時に前日の記憶が貯蔵されるため、朝に復習することでより記憶力が高まる
この時間帯に、勉強など覚えたいことを学習することで、記憶力のアップに効果を発揮してくれます。
記憶力を低下させないためにも、普段より早く起床して、改善に取り組んでみてください。
また、朝から記憶力アップをおこなう前に、しっかりと朝食を食べておくようにしましょう。
朝食を食べることで……
・普通に朝からやっても脳が栄養不足のため朝食を食べてからが望ましい
・ご飯やパン・果実などに多く含まれる栄養素であるブドウ糖を摂取することが重要
※ブドウ糖
体はもちろん脳の栄養素であり、脳のエネルギー源としてとても重要な栄養素です
脳に栄養を与え、血流を促してくれるため脳が活性化し、朝の時間帯の効果をさらに高めてくれます。
2-2.字を書く・声に出す
昔から覚えたいことは、「とにかく書いて覚えなさい」と教えられてきた人も多いと思います。
書くことは……
手を動かして目で見て覚えることで、脳に強い印象を与え記憶を定着させやすくなる
また、書くと同時に……
書きながら声に出して覚えることで、より強い印象を脳に与えることができるため、記憶力アップの効果が高まる
書いて声に出すことによって……
・ペンを動かして手からの感覚を脳に伝える触覚
・書かれたもの見て脳に伝える視覚
・書いたことを声に出して耳で聴き、脳に伝える聴覚
このように、人間の五感の内の半分を刺激して上げることで、より記憶力を高めていけます。
2-3.運動をする
先ほどの字を書いて手を動かす、ということにもつながってきますが、人は体を動かしながら記憶することでより効果が高まります。
体を動かすことで……
・血液循環が良くなり、血流が脳までしっかりと行き渡ることで脳が活性化する
・特に有酸素運動がお勧め(脳に酸素が入りやすくなるため)
・足裏に脳を活性化してくれるツボがあるため刺激してあげる
特に足を動かす運動をおこなうことは、とても効果的です。
例えば……
ウォーキングなどをおこないながら、計算や覚えたいことを口ずさむことで、脳に負荷がかかり記憶力を高めることができます。
*時間は……自分の体力に合わせて30分~1時間半を目安に歩きましょう
*回数は……週に3回以上はおこなうようにしましょう
日々の運動で健康面もケアしながら、記憶力も一緒に高めていきましょう。
2-4.身近な何かに置き換えて覚える
計算や覚えたいことを、自分の身近にある何かに置き換えることで、記憶力を高めることできます。
*算数などの計算は……
応用問題などによくある、自分が実際に買い物する状況を想定しながら、金額や個数の計算をおこなう。
<例>
「八百屋さんでリンゴを○個、ニンジンを△個、ジャガイモを□個買いました。さて、合計は何個でしょう?」のような応用問題
*歴史上の人物などを覚える時は……
登場してくる人物を、自分の身近にいる人に置き換えながら考えていくと記憶も定着しやすくなります。
<例>
織田信長を覚えると仮定して……
ヒゲの形が近所の○○さんに似ているから「織田信長=○○さん」などと覚えるようにする
また、以前にお話しました【「1-4-2自分の記憶しやすい方法で覚える」を参照してください】年号の語呂合わせなども、この置き換えることに、当てはまります。
2-5.人に教えながら覚える
自分が覚えたことを、人に教えながら、定着させていく方法もあります。
人に教えるということは、それだけ責任を伴うため、正確な情報を伝えようと頭の中を整理して記憶をフル活用します。
*例えば……
・授業後などに、わからない問題を友達と一緒に教え合うようにする
・学校から帰宅後、家族に協力してもらって教えるような形式で自らの復習をする
また、教えるための記憶を、繰り返し思い出しながら復習することができるため、さらに記憶を定着させていくことができます。
アメリカの調査機関によると……
ただ普通に授業を聞いて、記憶を定着させようとした場合、定着率が5%だったところ、授業後にその内容を、他の人に振り返りながら教えた場合だと、定着率が90%近くにまで上がるとの結果も出ています。
2-6.その日に覚えたことや出来事を記録に残す
どれだけ記憶力を高めていったとしても、なかなか1日のことをその日中に全て覚えるのは難しいものです。
何日間かかけて覚えていくことが必要ですが、当然時間が経てば忘れていくため、記録を残しておいて、記憶していくための保険を作っておきましょう。
2-6-1.日記を付ける
覚えたことやその日の出来事を記録するといえば、やっぱり最初に思い付くのが日記を付けることでしょう。
その日に起こった思い出や悔しかったことなど、気付いたことや印象に残ったことをしっかりと記録しておきましょう。
さらに……
記憶を残しやすくするために、出来事の「絵を描く」ことや「写真を貼る」などしておくことで、過去の記憶を鮮明に思い出せることでしょう。
2-6-2.自分なりの「出会った人リスト」を作る
日記でその日の出来事を記録しておくことも、もちろん有効な手段ですが、普段生活している中で出会う人の名前や特徴を覚えるために、【出会った人リスト】を作ってリスト化していきましょう。
※例
【出会った人リスト】
名前
○○○○
日時・場所
●●●●
特徴
(背丈、髪型、顔、服装など)
△△△△
出来事
▲▲▲▲
上記の例のように自分なりのリストを作ります。
作り方はパソコンでもいいですし、手書きで書いてもどちらでも構いません。
自分の覚えやすい方法で作っていきましょう。
このようにリスト化をおこなうことで、記憶しやすくなります。
また、この作成したリストを単語帳のようにして常に持ち歩くことで、曖昧な記憶の人に出会った時に、思い出すための手段としても活用することができますよ。
3.脳にいい習慣を身につけ記憶力の低下を防ぐ
ここまでは、実際に記憶力を上げるための具体的な方法についてお話してきました。
もちろんこういった方法で、記憶力を上げていくことはとても大切ですが、日頃から脳にとって習慣で過ごしていくことも大切です。
どんなに記憶力を高める方法をおこなっていたとしても……
【脳自体を良い状態にしていなければ何も意味がありません!】
日々の生活の中で、脳にとって良い習慣を身につけながら過ごしていきましょう。
3-1.人と積極的にコミュニケーションを取る
毎日必ず人と会い会話をおこなうことは、脳の様々な器官を活発にし、特に前頭前野を活性化してくれて記憶力の低下を防ぎます。
特に会話というのは……
生き物の中で人間だけがおこなえる相当高度なものです!
人は普段の生活の中で普通に会話をしていますが、頭の中では脳が活発に刺激されて働いているのです。
*例えば……
脳に関する病気でうつ病がありますが、発症する原因の1つに会話やコミュニケーションが他の人よりも少ない、または足りていないことが挙げられます。
うつ病というのは記憶に関係する病気です。
このことからも、会話が脳に与える影響が、どれだけ大きいかがわかるでしょう。
・家族との団らんを大切にする
・友達や仲間との会話を楽しんだり、遊んだりする
・地域の活動などに積極的に参加する
上記のことなどを参考にして、脳のためにもなるべく家にばかり居ないで、外に出ていろんな人と積極的にコミュニケーションを取っていきましょう。
※前頭前野
思考力や創造力などを司る、脳の最高中枢器官と言われています。
3-2.クラシック音楽を聴く
精神の安定は脳にとっても良い効果をもたらし、特にクラシック音楽を聴くことはお勧めです。
クラシック音楽は……
脳が記憶力や集中力を高める状態になると言われる、α波状態にしてくれます!
脳がα波状態の時に勉強などをおこなうと……
・知識が頭に入りやすくなる
・イメージ力も高まる
このように記憶力を高めていくためには、もってこいの方法です。
クラシック音楽の中でも、特にモーツアルトの曲がα波状態になりやすい3500hz以上の高周波を発する曲が多いためお勧めです。
*例えば……
・「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
・「トルコ行進曲」
・「交響曲第25番」
など、他多数の代表曲があります。
ゆっくりと落ち着ける場所で、クラシック音楽を聴くなど、精神を落ち着かせて脳を休ませ、活性化させてあげましょう。
また、もちろんクラシック音楽に限定しなくても、自分の好きな音楽を聴くことで、脳を活性化してあげることができますよ。
※α波状態
人がリラックスしている時や寝ている時に、最も多く出る周波数と言われています。
3-3.良い香りを嗅ぐ
あまり関係がないように感じますが、実は香りと記憶力というのは、とても密接に関係しています。
五感の中でも、【嗅覚という器官は、直接脳に一番速く情報を送ります!】
そのため、良い香りを嗅ぐことは精神も癒され、脳に刺激を与えてくれるため、記憶力への効果を、高めてくれます。
<例>
・勉強部屋には……
ローズ、ローズマリー、バジル、ミント、レモンのエッセンシャルオイルなどの香りを使うことで、集中力を高めてくれます。
・寝室には……
ラベンダー、イランイラン、オレンジ、ローズ、ローマンカモミール、ネロリ、クラリセージのエッセンシャルオイルなどの香りを使うことで、リラクゼーション効果が高まり、脳をゆっくりと休ませてくれます。
このような香りを用いることで、脳の記憶力アップやリラックス効果をより高めてくれることでしょう。
さらに、先ほどご紹介したクラシック音楽と一緒に用いることで、より効果を高めてくれますよ。
3-4.意識的に手や指を使う
体の中でも、手は「第2の脳」と言われるくらい、脳に対しての結び付きが強い部位になります。
日頃から、意識的に手や指を使うことで、脳が刺激されて、自然と脳の活性化を促してくれます。
<例>
楽器が弾ける人などは……
ピアノやギターなどを活用してみる
その他の方法は……
料理を作ることやパソコンのキーボードを打つなどを活用してみる
上記のように、指の神経をしっかりと使えるものを選択してください。
4.普段の生活の中で記憶力低下に影響してしまうこと
ここからは、記憶力の低下につながってしまうことを、ご紹介していきます。
普段生活している中で、「こんなことが記憶力の低下に影響してしまう」ということがあるのです。
せっかく記憶力を高める方法をとっていても、普段の生活の中で記憶力を低下させる行動をとっていては意味がありません。
しっかりと改善していくようにしましょう。
4-1.ストレス
ストレスが溜まって、仕事や勉強に集中できずに、物事が覚えられないと感じることも多いですよね。
・勉強が難しくて付いていけない
・友人や学校関係などが上手くいかずに悩んでいる
・先生や親などに叱られてイライラすることが多い
……など
このようなことで人がストレスを感じてしまうと……
コルチゾールと呼ばれるホルモンが過剰に分泌されることにより、記憶力が低下することや集中できないなどの状態になると言われています。
※コルチゾール
副腎皮質ホルモンの一種である、糖質コルチコイドで、別名ストレスホルモンとも呼ばれています。
今の世の中で、ストレスを溜めるなというのは、なかなか難しいことかもしれませんが、記憶力を高めるためにも少しずつストレスを軽減していきましょう。
第3章でご紹介した脳に良い習慣を取り入れるだけでも、ストレス軽減につながっていくと思いますよ。
4-2.睡眠不足
人は寝ている時に、その日に記憶したことを整理して、脳にインプットさせていきます。
そのため睡眠不足の状態が続いてしまうと……
・記憶を整理して定着することが上手くできずに、記憶力の低下につながる
・ちょっとしたことでもイライラしてしまうことが多くなる
・脳内に疲労物質が溜まり、十分に脳が活動できない
そういう状態が続けていれば集中力を欠いてしまいますし、集中力を欠くということは、記憶することに影響していくため、結果的に記憶力の低下にもつながってしまいます。
4-3.不規則な生活習慣
先ほどの睡眠不足とも関わってきますが、バランスの取れていない食生活や疲労が続くなど、不規則な生活習慣は健康面だけでなく、記憶力の低下にもつながってしまいます。
食事で栄養がしっかり摂れていないと、ちゃんと脳に栄養を届けることができませんし、疲労やストレスが溜まれば、脳も疲弊して思うように働いてくれません。
記憶力アップのためには、まず生活面の改善から、見直していく必要があります。
まとめ
ここまで、記憶力を向上させることについてお話してきましたが、少しは参考となるものがありましたか?
実際にご紹介させてもらった、記憶力を向上させていく方法も、思ったよりも難しいことではなく、簡単にできそうなことばかりでしたよね。
記憶力を向上させるには、技術的なことというよりは、精神的な面も強く反映されるもので、どれだけ良い方法でも、気持ちと技術が伴っていなければ、意味がありません。
本文でも少しお話しましたが、脳は覚えたくない記憶は覚えません。
まずは記憶力を向上させるための、最初の一歩として、苦手なことなどを、「覚えなくてはいけない」という義務的な考えから、「覚えたい」という積極的な姿勢で取り組むことから始めてみましょう。