西田宗千佳のRandomTracking
復活の4インチ「iPhone SE」、見た目以上の変化「iPad Pro」。アップル新製品に触れた
(2016/3/22 11:37)
3月21日(米国時間)、アップルはカリフォルニア州サンノゼにある同社本社内で発表会を開き、iPhone SEや9.7型のiPad Proなどの新製品群を発表した。発表の内容は後ほど詳報するが、まずは発表会後開かれたハンズオンにて触れられた、新製品のファーストインプレッションをお伝えしたい。なお、詳しくスペックや価格については別記事をご参照願いたい(9.7型iPad Pro、iPhone SE)
良くも悪くも「そのまま」、復活の4インチiPhone
iPhoneの人気が特に高い日本から見ると、まず気になるのは、4インチの最新モデルとなる「iPhone SE」だろう。プロセッサがA9になり、パフォーマンス的にはiPhone 5sの倍以上になった。
とはいうものの、実際に触ってみるといい意味でも悪い意味でも「iPhone 5sと変わらない」ように見える。長時間好きにアプリを入れて触れたわけではないので、パフォーマンスや写真のクオリティを云々できる状態にはない。だから、外装のカラーが変わった以外はそのままに感じるのだ。新鮮味という意味ではマイナスだが、使い慣れた4インチiPhoneのサイズにiPhone 6sの性能が入った、と思えば、これはこれでいい。
カメラモジュールは、iPhone 6以降と異なり、本体から出っ張っていない。ここもデザイン的には好ましい。カメラもスペック的にはiPhone 6sと同等だが、こちらは「まったく同じモジュールである」とまでは断言されていないので、写りに若干の差がある可能性もある。そこは、今後試してみる必要があるだろう。
個人的はiPhone 6以降のサイズに否定的ではないため、「4インチ待望論」と「スマートフォン大型化トレンド」のどちらがより多くの支持を得るのか、興味深いところでもある。
iPad Air2からもiPad Proからも進化した「9.7インチ版iPad Pro」
ハードウェア的に、意外なほど変化を遂げたのは「9.7インチ版iPad Pro」だ。
ディスプレイサイズ・本体サイズともに現行のiPad Air2と大きな差がないが、底面には、昨年発売された12.9インチ版iPad Proと同じようにSmart Connectorを備え、専用周辺機器であるSmart Keyboardを装着できる。専用ペンの「Apple Pencil」が使えることも同じだ。すなわち、「Smart Keyboardでの入力性向上」と「ペンによるクリエイティビティ」を備えるのがiPad Proシリーズであり、サイズが2バリエーションになった、と考えれば良い。
Smart Connectorは12.9インチ版でも9.7インチ版でも変わりなく、キーボードのサイズが変更されている。現地で試してみることはできなかったが、「機構は変わっていないので、9.7インチ版に12.9インチ版のキーボードをつけることも、おそらく可能」(アップル説明員)という。
サイズ以外には違いがないように思えるが、9.7インチ版は12.9インチ版からのアップデートが、特にディスプレイ周りで行なわれている。12.9インチ版のスペックは公開されていないが、9.7インチ版は500nitに明るくなり、400nitだったiPad Air2よりも明るさ・発色・色域の点で改善されている。見る限り、12.9インチ版よりも、色域については9.7インチ版の方が良いと思える。
12.9インチ版にもないのが「Tune Toneディスプレイ」という機能。これは、周囲の明るさ・色温度をセンサーで読み取り、画面の色を調整する機能。どの状態でも、特に白の多い書類などが読みやすくなる。一方、色が変わると写真加工などでは困るので、OSの設定でオフにすることもできる。
大幅な性能アップとなったのがカメラモジュール。12.9インチ版とiPad Air2のセンサーが800万画素だったのに対し、9.7インチ版では1,200万画素。アップルが「Focus Pixels」と呼ぶ像面位相差オートフォーカスも組み込まれた。レンズカバーもサファイヤクリスタルガラスだ。これはiPhone 6s系と同じであり、カメラモジュールがiPhone 6s系のものに変わったのだろう、と予測できる。
その代償として、iPad系のカメラとしては初めて、レンズカバーの周囲に「出っ張り」ができた。これはデザイン上の退化だと感じる。机の上に置いてペンで絵や文字を描くiPadとしては、この出っ張りにより「ガタつき」が出ると厳しい。実際、iPhone 6系の製品を机の上に置くとガタついてしまう。しかし幸い、9.7インチiPad Proは面積が広いため、この程度の出っ張りでは顕著なガタつきは起きなかった。その点は安心していい。
デザイン上の大きな変化は、Wi-Fi版にはなく、セルラー版の方にある。従来、セルラー版iPadはアンテナ部が大きなプラスチックで覆われているのが特徴だったが、9.7インチ版iPad Proでは細い線のようになった。iPhoneの背面にあるアンテナ分割部に近い処理だ。おそらくアップルは今後、セルラー版でのデザイン処理をこうした形に変えていくのだろう。
URL
- アップル
- http://www.apple.com/jp/
- 製品情報(iPhone SE)
- http://www.apple.com/jp/iphone-se/
- 製品情報(iPad Pro)
- http://www.apple.com/jp/ipad-pro/
バックナンバー
- 復活の4インチ「iPhone SE」、見た目以上の変化「iPad Pro」。アップル新製品に触れた[2016/03/22]
- GDCから見るVR産業勃興のカタチ。戦いの前の模索と共有[2016/03/21]
- PS VRが目指す「新しいゲームの時代」。SCEハウス社長に聞く成功への道筋[2016/03/18]
- コンシューマのためのPlayStation VR。開発2トップに聞くSCE吉田修平氏、伊藤雅康氏インタビュー[2016/03/17]
- PlayStation VRは10月発売。PS4やBD大画面体験「シネマティックモード」も[2016/03/16]
- PC一体型HMDも登場。“VRに本気”のAMDが示す「スマホの次は没入感の時代」[2016/03/15]
- スマホ上に“マスメディア”を。サイバーエージェント藤田社長が語る「AbemaTV」の狙い[2016/03/10]
- フジテレビはなぜ自前映像配信「FOD」にこだわるのか単月黒字化したFOD。「目玉マーク」より顧客重視で成長[2016/03/03]
- 本当に全部人力だった! Apple Musicの「プレイリスト」、「レコメンド」の秘密[2016/01/22]
- Netflixが「インターネットTV」になったCES 2016日本の手応えは「想定どおり」。新エンコード技術も[2016/01/13]
- ソニーAV製品責任者に聞く、ハイレゾ、TV、UHD戦略オーディオはワイヤレス。UHD BDプレーヤーは'16年度[2016/01/09]
- ソニー平井CEO「まだコンシューマでイノベーションを起こせる」転換期のCESにみせるBtoCの矜持。コンテンツ、VR、車[2016/01/08]
- 特別編:「バーチャルリアリティー」の歴史を俯瞰する全ては1960年代から。「Oculus」の衝撃とその未来[2016/01/03]
- “友だち”の意味が変わった時代の生配信。LINE LIVEスマホからスターを。ツイキャス、ニコ生「意識せず」[2015/12/25]
- Ultra HD Blu-ray再生機登場。「DMR-UBZ1」のこだわり新4K BDとともに4K処理を一新。40万円レコーダの価値[2015/12/03]
- 全てを変えた最上位REGZA「Z20X」の画質を支えるものHDR/4K世代の進化のキモは“地デジ”にあり[2015/11/12]
- 進化したApple TVを試す。モダンOS化で劇的に使いやすく[2015/10/29]
- これが本当のアンドロイド電話! 「RoBoHoN」誕生秘話デザインも機能も「声でコミュニケーション」への必然[2015/10/08]
- Amazonがプライムビデオで目論むプライムな体験とは?デバイスは儲け度外視。サービスと深く統合し差別化[2015/10/02]
- SCE開発2トップに聞くPS4とPlayStation VRSCE吉田修平氏、伊藤雅康氏インタビュー[2015/09/24]