21世紀枠で選出されたチーム同士の対戦となった21日の第1試合、釜石(岩手)-小豆島(香川)。試合は接戦の末、2-1で釜石が勝利した。選抜の開会式で選手宣誓を行った小豆島の樋本尚也主将は甲子園1勝を目指して戦ったが、その目標は次の夏へと持ち越しとなった。
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選手宣誓では来年春から香川県立土庄高校と合併し、小豆島中央高校に校名変更することに触れ、「当たり前にあった景色がなくなる。その重みを僕たちは忘れたくありません。当たり前にある日常のありがたさを胸に僕たちはグラウンドに立ちます」と力強く宣誓した。
自分にしかできない選手宣誓をする、ということをテーマに考えてきた言葉。対戦相手が2011年に東日本大震災で被災した岩手・釜石だったが、震災については触れなかった。彼らは相手を思い、あえて入れなかったのだ。
5年前の出来事を風化がさせないために、触れることも考えたという。だが、震災を経験していない人間が安易に触れてもいいものか。釜石のチームの中にも家族が被災し、まだ行方がわからない人もいる。
釜石の佐々木監督は常々、「野球をやることと震災は関係のないこと」と切り離して考えてきた。同時に心に留めてはいても、「重すぎて(安易に)語れるものではないこと」と口に出すことはせず、野球を通じてのメッセージで選手たちの心を奮い立たせ、甲子園の切符をつかんだ。愛情の深い監督だ。
宣誓の言葉を一緒に考えてきた小豆島の杉吉監督は佐々木監督のその思いを知り、本当に大切なこと、伝えるべきことは何なのかを考えた。
樋本主将の宣誓は自分の学校がなくなることを引き合いに出し、目の前にある日常を大切にし、支えてくれる人への感謝を伝える言葉だった。受け取り方は人それぞれで、釜石の菊池主将は震災の時のことを思い出したという。今、野球ができることに感謝しながら、この日、甲子園のグラウンドを駆け回った。伝えたかった思いは、伝わったのかもしれない。それは小豆島、釜石の両校だけでなく、出場する32校にも共通しているのではないだろうか。
それはこの日の熱戦にもつながったはず。選手たちが懸命にプレーする姿は、大声援を送ったアルプス、地元から応援した故郷の人々の心に刻まれたに違いない。大事なことは何か。それは精いっぱい、力を尽くしてプレーすることと、元気な姿で野球をすること。この日の1試合に、両校の思いが凝縮されていた。
フルカウント編集部●文 text by Full-Count
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