高温で調理した野菜やスナック菓子などに含まれる発がん物質アクリルアミドについて、内閣府食品安全委員会は「人への影響は明確ではないが、懸念がないとは言えない」との評価書案をまとめた。食材を焦がしすぎないなど、できる範囲で摂取量を減らしてほしいと呼びかけている。
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アクリルアミドは、食品を揚げたり、焼いたり、あぶったりして焦げた部分にできやすい。海外で発がん性が問題視され、日本では2011年から、食品安全委員会が検証。今年2月に評価書案をまとめた。
同案によると、動物実験などから発がん物質と判断。人の健康への影響は不明確だが、公衆衛生上、懸念がないとは言えないとした。1日の平均摂取量を推定したところ、日本は体重1キロ・グラムあたり0.24マイクロ・グラム(マイクロは100万分の1)で、EU(同0.4~1.9マイクロ・グラム)などに比べ低かった。食品別では、野菜いためなど「高温調理した野菜」からの摂取が56%、コーヒーなどの「飲料」が17%、ポテトチップなどの「菓子類・糖類」16%などだった。
同委員会は「厳しく管理する必要はないものの、社会全体で生成や摂取量を減らすよう努力すべきだと結論づけた」とする。
アクリルアミドを減らすには、調理の際、焦がしすぎないことがポイントだ。
農林水産省が、アスパラガスを200度でいためる実験をしたところ、8分間加熱して焦げついたものからは、2分の場合と比べ約10倍の濃度が検出された。
また「煮る」「蒸す」など水を使った調理も有効。加熱しても、アクリルアミドが生成される120度まで上がらないためだ。また、切った野菜などを水にさらすと、アクリルアミドの原料となる物質を洗い流せる。同省は、これらの家庭でできる方法を冊子にまとめ、ホームページでも公開している。
同省は、食品メーカーに低減対策を呼びかけている。13年度に市販のポテトチップスやフライドポテトを調べると、06~07年度に比べ4割以上減っていた。
食品安全委員会の作業部会座長を務めた、国立環境研究所環境リスク研究センターフェローの青木康展(やすのぶ)さんは、アクリルアミドを過度に避けようと食材を加熱しないなど、偏った食生活にならないよう注意を促す。「野菜にはがんを予防する効果があるとされ、いためれば効率よく摂取できる。アクリルアミドは工夫次第で低減できるので、バランスよく食べることが大切」と指摘する。
評価書案は同委員会のホームページで公開されている。17日まで一般から意見を募り、その後評価書としてまとめる。
◆家庭でできるアクリルアミドを減らす方法
<調理前>
・ジャガイモは冷蔵すると、原料成分となる糖が増えるため、常温で保存
・切ったイモや野菜は水にさらし、原料成分を洗い流す
<調理中>
・火力を弱めたり、食材をかき混ぜたりして、焦がしすぎない
・「煮る」「蒸す」「ゆでる」など、水を使って120度を超えない加熱方法を取り入れる
<アクリルアミド>
アミノ酸の一種「アスパラギン」とブドウ糖などが、120度以上で加熱された際に生成される。メーカーの市販品や家庭で調理したものなど、幅広い食品に含まれる。もともと工業原料などに使われ、発がん性が指摘されてきた。2002年にスウェーデンで食品にも含まれていることが確認され、世界的に注目された。
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