産経ニュース

【海保卒業式】「国民が諸君を頼りにしている」 安倍首相の海保学校卒業式での訓示全文

ニュース 政治

記事詳細

更新

【海保卒業式】
「国民が諸君を頼りにしている」 安倍首相の海保学校卒業式での訓示全文

海上保安学校卒業式で祝辞を述べる安倍晋三首相=19日午後、京都府舞鶴市(志儀駒貴撮影) 海上保安学校卒業式で祝辞を述べる安倍晋三首相=19日午後、京都府舞鶴市(志儀駒貴撮影)

 「昨年の関東東北豪雨の現場にも諸君の先輩方の姿がありました。洪水被害を受けた町では、多くの人たちが取り残されたまま夜を迎えました。本当に不安な気持ちであったと思います。そうした中で、海上保安庁特殊救難隊のヘリはサーチライトを照らしながら、一晩中、救出活動を続けました。その姿が、濁流の中に取り残された人たちをどれほど勇気づけたことでありましょう。海難事故や災害の現場で、大きな不安に駆られながら、諸君たちの救助を待っている人たちがいる。国民が諸君を頼りにしています。その自信と誇りを胸に、いかに困難な現場であっても、立派に任務を全うしてほしいと思います」

 「この3年間、私は横浜や那覇など大いに活躍する海上保安官たちの頼もしい雄姿を目の当たりにしてきました。広大な南西の海を守る最前線、石垣海上保安部にも足を運びました。私が訪れたときも、視察予定であった巡視船が早朝に緊急出航するなど緊迫した空気が張り詰めた現場でありました。尖閣諸島周辺海域から戻ったばかりの巡視船いしがきでは、同海域の現状を耳にし、厳しい現実を改めて実感しました。領海侵犯船との距離はわずか20メートルです。それでも巡視船いしがきは迷うことなく、領海侵犯船と日本漁船の間に割って入って高度な操船技術を駆使して、領海侵犯行為に毅然(きぜん)と立ち向かい、日本漁船を守り抜きました。国民を守る、そしてわが国の領土領海は断固として守り抜く。その強い決意がもたらした結果であったと思います。いまこの瞬間も日本を取り巻く広大な海を諸君の先輩たちが24時間365日体制で警戒監視に当たっています。荒波を恐れず、極度の緊張感に耐え、現場での任務を立派に果たす彼らは、日本国民の誇りであります。諸君が、これから臨むのは、こうした厳しい現場。この困難な道を強い使命感を持って選び取った諸君に心から敬意を表したいと思います」

このニュースの写真

  • 「国民が諸君を頼りにしている」 安倍首相の海保学校卒業式での訓示全文
  • 「国民が諸君を頼りにしている」 安倍首相の海保学校卒業式での訓示全文

関連ニュース

安倍首相、海保学校卒業式に初出席 尖閣見据え「海保の重要性、一層増す」

「ニュース」のランキング