アップルがiOSの新バージョン、9.3の正式版を発表しました。米国では本日からアップデートが開始されます。既に日本でも4時前後からアップデートの配信が開始中です。アップデート価格は無料。

主要な新機能や強化点は、パブリックベータ版に準じます。新機能は日没後にディスプレイを暖色系に変えて安眠を支援する『Night Shift』モード、『メモ』アプリのTouch IDロック、デフォルトアプリの3D Touch操作追加追加など。また不具合修正として、時計の日時設定を1970年5月以前に設定し再起動すると起動停止してしまう、いわゆる「1970年問題」対策も入っています。






最大の特徴は『Night Shift』でしょう。iOS機が地域を認識して、就寝時間が近づくとディスプレイの色を目に優しい暖色系に変え、ブルーライトを減少させます。就寝前にスマートフォンやタブレットを使っていて寝にくくなる、といった事態を減らす機能です。

ただしこの機能の発想元となっているブルーライトに関しては現在研究中の段階であり、わかっていない点も多いため、OSアップデートの情報では、「心地よい眠りに役立つ可能性があります」といった表記に留まっています。
また、メモアプリの指紋認証(Touch ID)、またはパスワードロック機能により、重要なメモを盗み見られる危険性を減らせます。



「ヘルスケア」アプリの他社製関連アプリ紹介機能や、Apple Musicのカタログ曲を直接(ライブラリに追加せず)プレイリストに追加できる機能、『写真』アプリではLive Photosから静止画像を抽出できる機能なども加わっています。

こうした新機能の詳細に関しては、1月に公開されたパブリックベータ版の記事を参照ください。

iOS 9.3ベータ1一般提供開始。ブルーライト軽減、メモのTouch IDロック、クイックアクション追加など




さて、それ以上に注目できそうなのが不具合修正。なんといってもiOS機ユーザー間で話題となった、時計の日時設定を1970年5月以前に設定し再起動すると「文鎮化」の可能性がある不具合に修正が加えられています。

この不具合は、いったんバッテリーを空になるまで放置すると再起動できるなど、回避策も出ていたものの、他のユーザーに時刻設定を操作されてしまうだけで文鎮化の危険性があるため、深刻度が高いものでした。
これが解消されていることから、アップグレード推奨度は高くなります。

さらにハードウェアキーボード接続時には、メールやSafariのリスト内を、矢印キーで移動することが可能になり、またショートカットバーからソフトキーボードを任意で表示可能ともなるなど、さりげなく重要な不具合が解消されています。



このようにiOS 9.3は、新機能から細かなアップデートまでが盛り込まれた、最近の「小数点以下アップデート」としてはかなりの規模の更新となっています。とくに繰り返しとなりますが、1970年問題が解決されている点は大きいでしょう。可能な限りアップデートをしておきたいバージョンとなりそうです。
アップルがiOS 9.3正式発表、無料アップデート開始中。1970年問題を修正、就寝前に画面を暖色系にするNight Shift搭載

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