プルトニウム きょうにも輸送船に積み米へ出港か

プルトニウム きょうにも輸送船に積み米へ出港か
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おととしの核セキュリティーサミットでの日米の合意に基づいて、日本からアメリカに引き渡されることが決まっていた研究用のプルトニウムが、22日にも専用の輸送船に積み込まれ、茨城県の港から出港するとみられます。
アメリカに引き渡されるのは1970年代に欧米から購入され、東海村にある新しい原子炉の研究のための実験施設で使われていた高純度のプルトニウム331キログラムです。原子爆弾40発分に相当するとされ、おととしオランダで開かれた核セキュリティーサミットで、日米両首脳がテロ対策を強化するとして、アメリカに引き渡すことで合意していました。
日本政府はテロなどへの警戒から輸送手段やルートを公表していませんが、輸送に使うイギリス船籍の武装した専用の船が21日、茨城県東海村の港に接岸し、関係者によりますと、22日にもプルトニウムを輸送船に積み込み、厳重な警戒の下、アメリカの核関連施設に向けて出港するとみられます。
今回、輸送するプルトニウムは高純度で核兵器に転用しやすいとされ、リスクがより高いことから、アメリカで核兵器にできないように処理するということで、日米両政府は日本の核セキュリティーの強化につながるとしています。
ただ、日本にはほかにも原発の使用済み核燃料を再処理した際に出るプルトニウムが国内外におよそ47トンあります。使いみちとして期待された高速増殖炉の開発の見通しが立たないことから、さらにプルトニウムを増やすことにつながる再処理工場の稼働などを巡り、国際社会から厳しい目が注がれています。