中国人民銀総裁、債務拡大に警鐘-安定した資本市場の育成が必要
2016/03/21 11:24 JST
(ブルームバーグ):中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は20日、企業借り入れの国内総生産(GDP)比率が高過ぎると指摘し、中国はより安定した資本市場を発展させる必要があるとの認識を明らかにした。これは債務水準の高まりをめぐる警鐘と受け取られる発言だ。
周総裁は北京で開催されたフォーラムで、中国は違法な資金調達の問題を抱えており、金融サービスはなお不十分だと発言。中国には外貨建ての行き過ぎたレバレッジを防ぐ規制が引き続き必要だと訴えた。
同総裁は「企業の借り入れを中心とする借入金のGDP比率は高過ぎる水準にある」との見解を示し、レバレッジ比率が高くなれば、マクロ経済リスクの影響をより受けやすくなると述べた。
中国指導部は債務水準の上昇に対応する一方、2020年までの5年間で年平均6.5%以上の経済成長を達成する目標とバランスを取る難しいかじ取りを迫られている。李克強首相は16日の記者ブリーフィングで、企業債務比率の高さは「中国では目新しいものではない」とした上で、資本市場の改革を通じて押し下げを目指す考えを示した。
経済協力開発機構(OECD)によると、中国では企業債務だけでGDPの160%に達している。グリア事務総長は20日、特にレバレッジ比率が高いセクターとして、セメントや鉄鋼、石炭、板ガラスといった業種を挙げ、短期的なリスクであるこの問題に中国は対処する必要があると語った。
原題:China’s Central Bank Chief Sounds Warning Over Rising Debt (1)(抜粋)
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更新日時: 2016/03/21 11:24 JST