蹴球探訪
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(3月16日)
【首都スポ】センバツ高校野球 常総学院 史上最短の春2016年3月21日 紙面から
◇第1日(20日) 鹿児島実(鹿児島)6−2常総学院(茨城)出場32校による開会式が行われ、12日間の熱闘が始まった。2年連続出場の常総学院(茨城)はプロ注目の左腕エース鈴木昭汰投手(3年)が中盤につかまり、夏春連続出場の鹿児島実に2−6で逆転負けし、開幕日に姿を消した。桐生第一(群馬)は5−9で初出場の滋賀学園に打ち負け、関東勢は連敗スタートとなった。智弁学園(奈良)は4−0で福井工大福井に完封勝ちした。 2度目のセンバツはわずか1日で終わった。常総学院の鈴木昭は中盤に集中打を浴びて4失点。逆転負けに「任されていたのに、エースとして期待に応えられなくて申し訳ない…」。報道陣に囲まれた左腕エースは、宙をにらみつけるような厳しい顔だった。 立ち上がりは、スライダーも低めに決まっていた。だが、微妙な制球のズレが、鹿児島実打線にツケ入るスキを与えた。「腕は振れていたし悪くはなかったが、いつもの制球力がなかった。球数が増えてつかまってしまった」と佐々木力監督(49)。苦しい場面を投げきるだけの心身のスタミナ不足が露呈したのは4回。死球から崩れて追いつかれると、5回にはプロ注目の綿屋に甘い直球を左中間に運ばれて逆転を許した。 「不動心」を肝に銘じている。ときに生意気なぐらいに見える強い気持ちが培われたのは、土浦市東小の学童チーム・永国東ジャイアンツ時代。父・秀樹さん(45)は「小、中学、高校と指導者に恵まれてきた。小学校のときの前田(豊吉)さんには野球の厳しさを教わった。打たれるとマウンドで泣くような子だったんですが、強くなりました」と振り返る。 初戦を突破すれば、25日の2回戦は、その恩師・前田さんが甲子園に来てくれる予定だったが、夢と消えた。昨年は開幕日の第3試合で快勝し、ベスト8まで駆け上がったが、今年はあまりにも短い春。常総学院としては9度目のセンバツで初の開幕日敗退となってしまった。 佐々木監督は「ピッチャーを中心に底上げしないといけんさい。バッターもどんな投手にも対応できるようにしないと夏はない」と前を向いた。鈴木昭も「すべての球の精度をもっと上げないといけない」と誓った。このままでは終われない。大会屈指の左腕は厳しい表情で引き揚げた。 (小原栄二) ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中 PR情報
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