さて。
前回の更新から一週間近く経ってしまいました。
せっかく、多様性について書いたので、
今回はアメリカで活躍する女性数学者をご紹介しよう!と
色々調べてみました。
例によって数学的に間違いがありましたら
即座にコメントくださいませ・・・。
リンク先の記事は英文であることも多いですが、
学生さんにとってはとても勉強になりますので、
そのままリンクさせて頂きます。
数学専門のNAVERまとめみたいになっている。。。
1) 女性初のフィールズ賞受賞者
Maryam Mirzakhani(ミリアム・ミルザハニ)
参考までにフィールズ賞とは。
4年に一度、40歳以下の優秀な数学者、2人以上4人以下に与えられ、
数学のノーベル賞とも呼ばれます。
ちなみにノーベル賞に数学賞がないのは、
ある男性とバトルをしていたからだとも言われているそうです。。
ほんとなのかしら。。
さて、ミリアム・ミルザハニのインタビュー記事はこちらが詳しいでしょうか。
このまとめ、すごく詳しくていいです。
ぜひ御覧ください。
女性初のフィールズ賞受賞者ということで
皆さんよくご存知かと思います。
インタビューについては上の記事にお任せするとして、
少しだけ彼女の現在の研究内容の、
数学界における位置づけについて書こうと思います。
まず、読んでも意味の分からなさそうな wikipedia からの抜粋から。
彼女は、モジュライ空間におけるトートロジー集合の交差数に関するエドワード・ウィッテンの推測に新たな証明を与え、(中略)次いで彼女の研究は、モジュライ空間のタイヒミュラー力学に移った。特に、(中略)ウィリアム・サーストンが提唱し長らく解決されなかった予想を彼女は解決することができた。
2014年にミルザハニは「リーマン面とそのモジュライ空間の力学と幾何学に関する顕著な業績」を理由にフィールズ賞を受賞した[18]。
少し解説しますと、
研究領域【数学】と書かれているような圧倒的な天才数学者であり、
(通常は数学の中の1分野に限られる。)
このウィッテンの推測に関して新しい証明を与えたのですね。
さらに現在の彼女の研究領域であるタイヒミュラー空間は、
宇宙際タイヒミュラー理論とも関わりのある分野です。
こちらの本には以下のように書かれています。
タイヒミュラー空間とその商空間であるモデュライ空間は、いまや複素力学系・代数幾何・双曲幾何・低次元トポロジーなどにおける基本概念となった。共形場理論や弦理論との関連から、物理学からの関心もますます増え続けている。
なるほど。抽象的な幾何学に留まらず
理論物理にも関係が深いのですね。
数学の本流の部分で大きな功績を上げられている方です。
大まかなご紹介ですが、
どれほどの大きな影響を与えているかが
少し伝わったのではないかと思います。
さて、続きまして、
数学の世界最高の拠点のひとつ、
プリンストン大学の女性教授をお二人ご紹介します。
2) Sun-Yung Alice Chang
大学のHPに掲載された内容はこちら。
Sun-Yung Alice Chang | Undergraduate Admission
プリンストン大学の女性初の Chair であり、
American Mathematical Society (アメリカ数学会というようなもの)
の vice president をされていたり、
女性数学者の活躍を推進する Noetherian Ring という組織でも
ご活躍されています。
※Noetherian Ring は女性数学者エミー・ネーターの業績の1つで、
とってもいい名前ですね。
エミー・ネーターについてもいつか書きたい。
Alice 先生の研究領域は、調和解析、偏微分方程式、微分幾何学となります。
リーマン多様体上での偏微分方程式に関して、多大な貢献をされているそうです。
https://www.agnesscott.edu/lriddle/women/chang.htm
調和解析という単語を初めて聞いたので調べてみましたが、
フーリエ級数やフーリエ変換に関する研究領域のことを言うようで
私も研究でフーリエ変換使ったのに知らず、
大変恥ずかしくなりました。
ここでは、Prof. Alice Chang から女性に向けたメッセージについて
ご紹介します。
特にこちらの記事で、
女性に向けたメッセージが書かれていますので、
ぜひぜひご覧になってください。
http://www.asiapacific-mathnews.com/02/0203/0025_0029.pdf
わたしは特にこのあたりが気に入っています。
I: What advice would you give to a beginning male or female graduate student in mathematics?
C: First, you have to be really interested in mathematics to be a graduate student in mathematics. It’s a long-term commitment. You have to think that this is not temporary — you get your PhD and then ... You have to be devoted and really like the subject to be a graduate student in mathematics.
男女問わず、そして業界を問わず、とても大切な言葉であると思います。
さて続いて3人目の数学者。
3) Marie Chudnovsky
こちらもプリンストン大学の若き女性数学教授です。
なんと素敵な方なのだろうと思いましたです・・・❤
900 Geniuses: Maria Chudnovsky | Stuff of Genius
The McArthur Foundationのグラント、通称 "genius" award
を取得されています。
特に完全グラフと呼ばれるグラフ理論の分野での貢献で知られており、
Strong Perfect Theorem と呼ばれる
1961年に提唱された予想の証明を、2006年に発表しました。
グラフとは、点と、点同士をつなぐ線で構成されるもので、
特に結婚式での座席ぎめなど、人間同士の関係性を表したり、
経路最適化などの分野でも活用される、応用の範囲の広い分野です。
(ちなみに私は修論でグラフ理論の薬学への応用を行いました。)
さてさて。
とても簡単なご紹介で恐縮ですが、
世界では、現在でも既に多くの女性数学者が活躍されています。
その様子を少しでもお伝え出来ましたら幸いです。^^
それではまた〜。