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平坂 寛

READ : 2016.03.21

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珍魚「ヨツメウオ」を食べる

珍魚「ヨツメウオ」を食べる

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南米にはヨツメウオという、世界的に有名な珍魚がいる。

その名の通り、眼が四つもある魚である。

いや、眼が四つ、と断言してしまうのは賛否があるかもしれない。その辺りに関しては後ほど解説していこう。

 

そして先頃、旅の経由地として立ち寄ったガイアナ共和国の首都ジョージタウン。この街を流れる川の河口に、そのヨツメウオが多数生息しているという話を聞いた。

それはぜひ見たい、捕りたい、そして食べたい!

というのも、ヨツメウオは形態・生態ともにとても不思議な魚であるから、きっと食味も面白い気がするのだ。根拠無いけど。

というわけで、中心街からほど近い川の河口へやってきた。

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まるで大雨直後のような濁りようだが、ここ最近は晴天続きだったはず。年中こんなものらしい。
川沿いには、小規模なマングローブ林が広がっている。

そして川を覗き込んだ途端に、そいつは目に入った。

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引き波を立てながら岸際の水面を泳ぐ、巨大なメダカのような魚である。

よく見ると、水上の様子を観察するように、眼を水面から突き出している。

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一目でわかった。ヨツメウオだ。ああ、なんとあっけない出会い。
しかも、たくさんいる。群れている。

ますますメダカっぽい。

 

だが、メダカ以外の魚に近い特徴にも気づいた。

ムツゴロウとかトビハゼっぽい行動をとる。

大きな魚がそばを通ったりすると、たまーに波打ち際の陸地に上陸するのだ。

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で、ひと休みするとまた水面を泳ぎ始める。

なんだこいつら…。

そして、意外に大きい。

全長10センチ程度の小魚を想像していたのだが、大きな個体は20センチ以上ある。

意外と食べでがありそうだな。

よし、捕ろう!

だが、岸辺はマングローブ特有のねっとりした泥で、まともに水面へ近寄れない。よって、網による捕獲は不可能。

ならば釣りで!と考えたのだが、「四つ目」ゆえに視力も通常の2倍あるのだろうか。

ヨツメウオ情報を教えてくれた友人が言うには、仕掛けやルアーをすぐに見切るので、正攻法で釣るのはなかなか難しいらしい。

…ならば!

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日本からこのために持参したボラ掛け針

正々堂々、引っ掛けてやるよ。エサの付いた釣り針で騙すとか、卑怯なことはしねえよ。

岸辺でくつろいでいるヨツメウオに針を掛け、泥地にぶり上げる。
ちょうど、ムツゴロウを引っ掛ける有明海の伝統漁法「むつかけ」のような具合だ。

地元の人々から喝采が上がる。捕れるわけがないと思われていたらしい。
ちなみに、現地でのこの魚の呼び名は“four eyed”であった。

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これがヨツメウオ!

なんとか捕まえたヨツメウオだが、見れば見るほど、シルエットはメダカに似ている。実際、メダカに近縁なカダヤシ目に属す魚である。
体側には青い縦縞が何本も走っており、よく見ると結構おしゃれな印象を受ける魚だ。

そして、メダカとは大きく一線を画すのがやはり眼。ヨツメウオ最大の特徴である。

四つ目と言いつつ、実際の眼球は他の脊椎動物と同じく一対しかない。しかし、よく見るとなんと眼の中央を仕切りが横切っており、なんと一つの眼に瞳が二つずつあるのだ。捉えようによってはたしかに四つ目と言える。

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愛嬌のある間抜け面

眼を突き出して泳いでいる平時は、瞳を二分するしきりがちょうど水面に位置する。上下二つの眼が、それぞれ同時に水中と水上を見ることができるようだ。

なるほど、たしかにこれなら水中なら大型魚、水上なら鳥など、両方の世界からやって来る危機を察知することができるだろう。

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水辺には魚を狙う水鳥も多い。これは脅威だ。

小学生のような直球の発想に思えるが、なんだかんだそれを実現して、生存競争の舞台で通用させているのだから生物の進化はすごい。

さて、ではせっかく捕まえたのだから新鮮なうちに食べてみよう。川の水とともにペットボトルに入れ、町へ持ち帰る。

まず鰓を切って血を抜き、鱗を落とし内臓を取り去る。
調理方法だが、ちゃんとした調理場は確保できなかったので急遽、使い捨てライターと塩を用意。強引に塩焼きにすることにした。

めざしサイズとはいえ、ライターで炙って芯まで火を通すのはなかなかに難儀。それでも30分近くかけて、ついにヨツメウオの塩焼きが完成。

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ヨツメウオの塩焼き。顔つきがなかなか壮絶。

見た目はまあ、可もなく不可もなくといった感じだが、肝心の味はどうなのだろう。

冷めないうちにかぶりつく。

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…うわぁ。

…。

めっちゃ泥臭いっすね。

泥風味のキスかハゼの塩焼きといった感じ。

もし、二週間くらいバッチリ泥抜きの処理ができればあるいは美味しくなるのかもしれないが、現実的ではない。

ヨツメウオは水面に落ちた虫の他、水底のエサも積極的に漁るというから、一緒に吸い込んだマングローブの泥のにおいが身に染み付いているのだろう。

まあ、美味しいか美味しくないかで言えば明らかに後者なのだが、一匹くらいならなんとか完食できる程度のものだった。

味は特別に不思議なものでもなかったが、そこに採餌方法や暮らしている環境が反映されていることを知れたので僕は満足した。

では、口直しに市場でマンゴー買ってきます!

平坂 寛

Monsters Pro Shop 編集長
「五感を通じて生物を知る」をモットーに各地で珍生物を捕獲しているライター。
生物の面白さを多くの人々に伝え、深く学ぶきっかけとなる文章を書くことを理念としている。

著書:「外来魚のレシピ〜捕って、さばいて、食ってみた〜」
「深海魚のレシピ〜釣って、拾って、食ってみた〜」(ともに地人書館)

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