【動画】札幌駅を出発し、上野駅に向けて走る寝台特急「カシオペア」の最終列車=山本裕之撮影
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 26日の北海道新幹線開業を前に、青函トンネル(約54キロ)が22日から25日まで「運休」となる。新幹線用に設備を切り替えるためだ。新幹線開業に伴って定期運行が終わる寝台特急カシオペアの最終列車が20日、札幌駅を出発した。

 青函トンネルは新幹線と貨物列車が共用する。22日から4日間、電圧を在来線用から新幹線用に引き上げ、貨物列車と新幹線の運行管理システムを連携させる。そのうえで新幹線車両を計21往復させ、設備を最終確認する。4日間にわたる「運休」は1988年の開通以来初めて。

 カシオペアの最終列車は20日午後4時10分すぎ、札幌駅を出発。約700人がホームに詰めかけた。東京都狛江市の会社員女性(53)はこの1週間で乗るのは3回目といい、「これで最後だと思うと、寂しいです」と話した。

 青函トンネルの在来線の運行は21日まで。新青森と函館とを結ぶ特急「スーパー白鳥」「白鳥」、青森と札幌を結ぶ急行「はまなす」も新幹線開業に伴って廃止となる。

■札幌駅には1100人

 カシオペアが20日、札幌駅を発着。午前と午後合わせ計約1100人がホームで別れを惜しんだ。

 午前11時半前、下り最終列車が札幌駅に入ってきた。上野から乗ってきた東京都東村山市の志村秀夫さん(65)、千津子さん(67)夫妻は結婚40周年の記念旅行。息子から乗車券を贈られた。「車内は広くてゆったりできた。これでなくなるのは寂しい」

 青森駅から車掌を務めたJR北海道の阿部昭博さん(54)はカシオペアの車掌歴が16年にのぼる。「車内放送で『今日でラストですが、お客様の心の中では永遠に走り続けるでしょう』と言いました」と語った。