伝記映画であり、フィクションではない
伝記映画とは歴史上の偉人や実在人物の生涯を映画化したもので「アメリカン・スナイパー」もその一つです。この作品はイラク戦争に4度従軍したクリス・カイルの自伝を元にクリント・イーストウッド監督により映画化されました。
2015年には北米興行成績で2億1700万ドルを達成し戦争映画史上最高の興行収入額となりました。
本当は映画館に見に行きたかったのですが時間が合わずBDを買う事にしたのですが、これは映画館で見に行ったとしてもBDを買っていましたね。それだけ良い映画だと思います。
映画の感想
この映画のキャッチコピー「米軍史上最多、160人を射殺したひとりの優しい父親」というキャッチコピーなのですが「160人射殺」という記録の中にクリス・カイルの思い、苦しみが映画で表現されているとよく解ります。
他の方の映画レビューを調べてみると良い評価をつけていない人の理由の多くは「他の戦争映画と一緒だった」という声が多くありました。こういった声を聞くと私はある事を思います。
日本人は平和ボケしている人が多いのがよく解る
例えばポーランド侵攻を舞台にした「戦場のピアニスト」。こちらも伝記映画なのですが、劇場公開から今年で14年経った今でも私が好きな映画であり多くの人に見てほしいと思う映画の一つです。
この作品の原作である「ある都市の死」という作品は1946年に書かれたものなのですが、ポーランド共産主義政権の手によって絶版処分になりシュビルマンの息子、アンジェイ・シュビルマンが復刊に取り組みドイツ翻訳で出版されたのが1998年。イギリス翻訳で発売されたのが1999年になった時です。
ドイツ側を描かれた映画というのは沢山ありますがポーランド側の映画というのは数少ないです。ユダヤ人であったシュビルマンは強制労働させられ人として扱かわれない日々は映画を見た人は胸が非常に苦しんだ事だと思います。
話は戻して数多くの戦争映画がある中で「どの映画も斬新さがない」という感想は「映画」というジャンルで見てしまうからでしょうね。伝記映画で特に「戦争映画」というジャンルは「映画」ではなく「後世に伝えるべきもの」という表現が正しいです。
アメリカン・スナイパーを見て元軍人の苦しみは戦場ではなく一般家庭に戻ってきた時にもう普通には過ごせなくなっている場合があるという事。それはどの戦争映画でも見るシーンなのですが、ここで気づいてほしいのは「時代が変わっても兵士の苦しみは変わらない」という事。テクノロジーが進化しても操作するのは人間。手段はどうあれ人が人を殺すのは、その人の人生に重くのしかかってくるのがよく解ります。
私がアメリカンスナイパーを見た感想はまさに「後世に伝えるべき映画の一つ」という事でしょうか。少々ネタバレになるのですがエンディングロールでは星条旗を掲げる一般市民の映像や無音のエンドロールには感動しました。この映画を見て戦争の悲しみをエンドロールで改めて考えさせられましたね。
戦争映画はあまり見ないという人でも「アメリカン・スナイパー」は是非見てほしいと感じます。
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