スラッシュリーディングの利点
スラッシュリーディングとは、意味のカタマリごとにスラッシュ(/)を入れながら読んでいく方法です。
スラッシュリーディングには、以下のような利点があります。
- スラッシュを入れることで、処理しやすいサイズになり、複雑な英文も意味が取りやすくなる。
- 英文を一語ずつ読むより、速く読める
- 英語を前(頭、左)から順に理解していくので、返り読みする癖がなくなる。
- 英語を英語のまま理解できるようになる。
スラッシュリーディングは、リーディングだけでなく、リスニングにも有効です。リスニングでは音が連続して流れるので返り読みもできません。そこで、英文を前から順番に、カタマリで理解する必要があるのです。
今回は、「スラッシュが入っている英語長文」の参考書を集めました。
スラッシュを入れる位置
自分でやる人のために、スラッシュを入れる位置の目安が書いてあったので紹介します。
1. 長い主語の後
2. 長い目的語や補語の前
3. カンマ・コロン・セミコロン・ダッシュの後
4. 前置詞の前
5. 不定詞to・分詞の前
6. 接続詞の前
7. 関係詞の前
8. 疑問詞節、that節の前
9. 文末の副詞の前-『究極の英語リーディング』
英語長文の参考書まとめ【中学レベル】
「やり直し英語」をはじめるときに、中学レベルの参考書からやり直す人も多いのではないでしょうか。
しかし、自分が見た限りでは、中学生向けの参考書でスラッシュが入っているものは非常に少ないです。難易度順に紹介していきます。
スラッシュリーディングの前に…『意味順英語学習法』
- 作者: 田地野彰
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2011/07/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『意味順英語学習法』は、スラッシュを使った参考書ではありません。
しかし、何年ぶりかで英語をやり直すという人や英語に苦手意識がある人には、『意味順英語学習法』をおススメします。
「だれが」「する(です)」「だれ・なに」「どこ」「いつ」という「意味順」に、英語を当てはめて英文を作る作業をするので、英語の語順感覚を身につけることができました。
『ハイパー英語教室中学英語長文』
長文はスラッシュ入りで読み下し訳付き、単語リストは発音記号付き、CD付きと至れり尽くせり。音読の教材としても使える万能選手です。
もともと、中学生向けの長文参考書でスラッシュ入りのものは少ないので、貴重な本じゃないかと思います。
公立高校過去問がテキストで、レベル別に1と2があります。
『実戦!英語長文はこう読む!!』
新書サイズの本です。小さく薄い本なので、パッと見で「内容が無いかも」と思いましたが、まったく逆でした。
机に座って勉強するというより、電車の中でドンドン読んでいくという使い方もできます。TOEICの教材で「特急シリーズ」というベストセラーがありますが、あの感じに似ています。1日1ページ進むと、約2か月で終了します。
残念なのは、CDがついていないこと。これでCDがついたら、テキストを見ながら音声を聞くという勉強もできたのですが…。でも、良い本です。
『究極の英語リーディングVol. 1』
『究極の英語リーディングVol. 1』は、アルクのボキャブラリーリストの入門レベル(1000語)で書かれています。収録は1000語ですが、はじめて長文を読む人には少し難しいかもしれません(中3レベルぐらい?)
スラッシュを入れるトレーニングが用意されているところが、他の本にはない特徴です。
物語からTOEICっぽい契約書まで、さまざまなタイプの英文が38本収録されています。フォントまで変えて、リーディング力をあげる工夫がされているのが面白いです。vol.3まで出ています。
『高校受験 英語長文を論理的に読み解く本』
スラッシュや後置修飾などの長文読解技術を勉強しながら、高校受験で出題される長文を論理的に読み解く方法について書かれた本です。
僕の勉強スタイルは誰かに教えてもらうのではなく、独りで勉強していかなければいけない「独学」なので、文法や読解の解説が豊富なこの本は助かりました。いまでも、ここで覚えた後置修飾のマークの仕方を参考に英文を読んでいます。
難関高校受験向けで、CDはついていません。
英語長文の参考書まとめ【高校レベル】
高校レベルの本になると、スラッシュが入れてある参考書が多くなります。
そのなかで、使いやすいと思った長文参考書を紹介します。
『大学入試英語長文ハイパートレーニング』
スラッシュ+読み下し訳による「速読」と、品詞分解の「精読」の2つのトレーニングにじっくり取り組める本です。
難易度別に『超基礎編』、『センターレベル編』、『難関編』の3つから選べます。
高校レベルだと難しいのでは?と思われるかもしれませんが、『超基礎編』は中学+αのレベルです。中学生向けの教材が終わったら、この本でも抵抗なくできると思います。
CD付で音読教材としても素晴らしい。
『イチから鍛える英語長文300』
イチから鍛える英語長文300 (CD&別冊「トレーニングブック」つき (大学受験TERIOS))
- 作者: 内川貴司,武藤一也
- 出版社/メーカー: 学研マーケティング
- 発売日: 2015/05/19
- メディア: 単行本
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構文解説と読み下し訳がわかりやすい長文問題集です。単語リストは発音記号付き、CDもついています。
ハイパーよりもレベルが高いと思います。
文字が小さいことが残念です。こちらもシリーズで、「300」、「500」、「700」とあります。
『毎日の英速読』
受験の英文とは違ったモノを読みたい人は、『毎日の英速読』はどうでしょうか。
最頻出の2000語で書かれていて、ダウンロード音声(TOEICリスニング並のスピード)がついています。
解説は少ないので、講義のような解説が必要な場合は、受験用参考書を使ったあとのほうが分かりやすいでしょう。
携帯しやすいサイズで、気軽に読めるのが良いところ。電車やバスのなかでドンドン読めます。
長文をたくさん読む
身も蓋もありませんが、シンプルに言ってしまえば、たくさん読めば読んだ分だけ読むスピードは速くなる、のです。
-『毎日の英速読』
小説家の村上春樹さんは翻訳者として手掛けた作品も多いですが、若い頃は、好きな英文小説を「頭からぼりぼり貪り食うみたいに」読んだと言います。
やはり、英文を前からスラスラ読めるようになるには、たくさん読むことが重要なのでしょう。
そのためにも、英語をカタマリで理解していくスラッシュリーディングはぜひマスターしたいテクニックです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。