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<女川原発>近隣住民にヨウ素剤服用法など説明

 宮城県と同県女川町は19日、東北電力女川原発(女川町、石巻市)の重大事故時に甲状腺被ばくを防ぐため、原発の近隣住民に対し安定ヨウ素剤の事前配布に関する説明会を開いた。説明会が開かれたのは、立地する女川町、石巻市で初めて。医師による副作用の有無の確認などを経て4月中旬以降、対象となる住民に配る見通し。

 安定ヨウ素剤は医療用医薬品の錠剤。東京電力福島第1原発事故後、災害対応に追われて配布が混乱したのを踏まえ、原子力規制委員会は医師の指導の下での事前配布を認めた。
 説明会は女川原発に近い集会所であり、小屋取、塚浜両地区の住民ら約40人が参加。県原子力安全対策課の担当者は「事故時は避難が基本。放射性物質が放出された場合、内部被ばくを抑えるために安定ヨウ素剤がある。国や県、町の指示があったら適切な量を服用してほしい」と述べた。
 県石巻保健所の医師は「副作用など不明な点があれば、近所の医者や薬局に聞いてほしい」と話した。
 住民は安定ヨウ素剤の成分について質問したほか、「指示が出る前に、自分で空間の放射性物質の流れが分かる仕組みを整えてほしい」と要望した。
 説明会は半径5キロ圏の予防的防護措置区域(PAZ)と周辺で順次行われる。町は事前配布の対象を3歳以上の約300人と見込む。
 町企画課の佐藤雅裕課長は「住民の安心安全のため事前配布する。女川原発が再稼働するかどうかとは関係ない」と理解を求める。
 東北電は2017年4月以降の再稼働を目指している。


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2016年03月20日日曜日

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