「赤ずきん」と、影鬼について
先日えこさんから「のむすこさんは『黒岩さんは鬼道さんを愛していない』と聞いてショックだった」とお聞きしたのですが、私はそのようなツイートは身に覚えがありません。公開当時、のむすこさんからは何の感想も質問もなかったと記憶しています。
当時、えこさんからの感想リプライで
「『黒岩監督が14歳鬼道さんに冷たい』理由が…わかるようでわからない。24歳が好きだから?本来の14鬼道さんじゃないから?」
との質問に、
「黒岩はすでに狂っています。そこが影山との違いです。黒岩は自分の狂気を知り、なおかつ慕ってくる24鬼道さんと楽しい鬼ごっこをしているんです。14鬼道さんは彼にとってまだ成熟していない果実なのです。」
とお答えしたのですが、そのことでしょうか?
愛が無いわけではありません。その時は黒岩の狂気という持ち味を活かしたかったこと、作品内の黒岩は鬼道さんとの関係に慎重で自分からは子供に手を出さないことを伝えたかったのですが、言葉足らずだったようですみません。
何か疑問があったら、のむすこさんから直接言ってくれるだろうと思っていました。
◆影鬼のイメージ
私の中の影鬼のイメージは「影山は帝国学園を支配する神で、鬼道さんを寵愛(贔屓)している」という感じです。主従のイメージが強いです。
特にロシアンチョコレートは「神が降臨して救いの手を差し伸べる」ようなイメージで書いていたと思います。主従CPは、私の場合は「従×主」もしくは「主←従」が好きなのです。
◆黒岩のイメージ
黒岩はダークヒーローだと思っています。善人なのか悪人なのか分からない、他のキャラから見ても何を考えているのかも分からない、ミステリアスなところが魅力だと思います。
でも実は、自分の夢の実現の為なら手段を選ばない、お茶目なおじいちゃんなのではと思っています。そこは赤ずきんでは、24鬼道さんも理解しているように書きました。
黒岩はクールなツンデレのイメージです。受け攻めが逆ですが、私の中のやぶ鬼もそんなイメージです。そういうキャラが好きなのです。
黒岩は、ああ見えて本当に悪いこと(人命を奪う等)はしなさそうです。賢い人は同じことを繰り返さない。そして夢も尽きない気がします。黒岩にギャラクシー終了後も、元気に色々な夢を追い続けて欲しかったのです。
◆『赤ずきん』の黒岩について
そんな夢の一つが「あの頃の帝国学園と鬼道有人を、今もう一度育て直してみたい」だったのです。鬼道さんの事も、今度は離反を起こさない様に慎重に接していたのですが、それが黒岩と14鬼道くん、二人のすれ違いを招いていました。
でもPCの中のデータは、この歴史にはあり得ない未来の鬼道有人のアルバムです。それが存在する理由は、黒岩が持ち込んだものだからです。心の中にずっと鬼道さんがいるから、黒岩のPCには『鬼道さん成長コレクション』が入っているのです。
14鬼道くんの一人称なので、14鬼道くんに感情移入すると「愛されていない」と感じるのですよね…。
慌ててモニターを切って、すれ違い、鬼道くんに再び離反されそうになって、動揺のあまり思わず襟元を強く掴んでしまう黒岩が可愛いと思って書きました。
この物語は黒岩と14鬼道さんのすれ違いを書いたもので、黒岩が24鬼道さんの面影を探していたと判った時に、読者が「なんだそうだったのか、やっぱり鬼道さんの事が好きなのね」と納得してもらえると思っていました。
同じ時間に同一人物が存在するということで、キャラに個性をつけようと思いました。そこで、ゲームのキャラ紹介にあった『狂気』という持ち味を活かそうと思いました。それはストーリー後半で大きな野望を語る所や、影山に冷酷な所に出てきます。
キャプションにある"公式とはまーったく関係ない創作設定"というのは、"ギャラクシーのエンディングより先の部分をねつ造した"(「超S級犯罪者」と呼ばれていたり等)という意味です。
◆R-18要素について
9歳児の母親として、大人が子供に手を出すのは許せないのです。おねだりされたから仕方ないっていうのは、私のギリギリの許容範囲なのです。私が影鬼でエロシーンを書くとしたら、鬼道くんからおねだりさせて「仕方ないなぁ」で抱くしかないのです。
また、この作品では影山と14鬼道くん、黒岩を24鬼道さんが、正CPだと思っています。黒岩と14鬼道くんは本来愛し合っても問題ない二人ですが、人によっては浮気のように見えてしまうかもしれないと思い、心までは通わせないよう配慮しました。
◆赤ずきんの黒岩×14鬼道について
イナギャラを観て、黒岩がソウル選手しかスカウトしなかったので、公式はそれまでの影鬼を否定したと感じました。その考察を「愛し方が変わった」としたかったのです。
ついでに「ソウル選手をこの時代から集めたら、帝国学園が世界を変えるほど強くなるか知りたかった」という設定にしました。
ソウル選手はまだ開発段階です。鬼道くんはその素質が無くて嫉妬していますが、そんな鬼道くんが可愛いと思って書きました。
黒岩はいい大人になっただけなのですが、肉体関係が愛情だと思っている鬼道くんとすれ違いが起きている、という部分を書きました。いい大人なのにおねだりされて、抱いてしまうのは、鬼道くんが何歳でも可愛いと思っているからです。
鬼道さんに再び離反されそうになって、黒岩は詰め寄ります。最初は襟元を掴んで持ち上げる描写だったのですが、後に登場する影山の救世主感を増そうとして、ちょっとハードな描写に書き換えたせいで、虐待に見えてしまったようでしたら申し訳なかったと思います。
黒岩を冷酷に書きすぎたかもしれませんが、一応この話の中では悪役という位置づけで、「助けに来る影山」という滅多にないシチュエーションにしたかったのです。
普段影鬼のツイートをあまりしていませんでしたから、私の影鬼への感情は何一つ伝わらなかったのでしょう。当時はフォロワーさんに遠慮しすぎて、不鬼以外の萌えツイートや考察ツイートは少なくしていました。現に、影鬼が地雷でリムーブされたことがあります。
影山の改心は、原作に泥を塗った感があって申し訳ないと思っていますが、ハピエンにするために行いました。正史(原作)を汚したくないので、その後記憶はリセットされることにしています。
一生懸命奉仕する鬼道くんや、影山のことが好きでたまらない鬼道くんや、そんな鬼道くんを突っぱねる黒岩のイメージは、こたにさんのツイートの影響を受けていると思います。
ツン99%くらいのツンデレ・ドSキャラが好きなのですが、世の「ドMちゃんを快楽攻めにするドSくん」は私の理想のドSと違っていています。一生懸命奉仕したら、ちょっとだけ頭を撫でてくれるくらいでちょうどいいと思っています。
◆赤ずきんの黒岩×24鬼道について
ゲームのギャラクシーをプレイして、アニメ版で宇宙船に吸い込まれるラストになるとは知らず、「黒岩と鬼道さんを再会させるには、時空を超える力を与えるしか!!」と思って書きました。そのために、イナクロを見返して時空理論を復習しました。
アルファやオメガたちと天馬たちが、様々な歴史の中で戦うように、24鬼道さんと黒岩も歴史の中で追いかけっこして欲しかったのです。
私は赤ずきんでそんな、追いかけっこの一幕を書いたものです。黒岩と24鬼道さんには、これからもトムとジェリーのように仲良く追いかけっこを続けて欲しいので、原因の根絶(黒岩の歴史介入開始を阻止)は行っていません。それによって「ループはミス」と訴えられても「それはまた別の話(ここで書くものではない)」と思っています。
あれは黒岩の好奇心による「いたずら」なのです。黒岩に悪意はなく、24鬼道さんとの追いかけっこを楽しんでいる中で、過去の帝国学園にいたずらをしようと思いついたのです。
黒岩は「サッカーの神になる」という野望を抱いています。その夢を叶えるならファラムに残った方が近道なのですが、鬼道さんに会うために地球に戻ってきたのです。鬼道さんの事を何とも思わないなら、宇宙の神になるという目的を果たしに向かったはずです。
◆『赤ずきん』の時空理論について
◇公式の時空理論
・歴史は一本である。
・改変されるとパラレルワールドが生まれる。
・パラレルワールドはやがて一本の歴史に収束し、定着する。
・歴史には自己修復機能があり、勝手に辻褄合わせがされる。
・一度改変された歴史が定着すると、改変し辛くなる。
赤ずきんでは、上記の公式の時空理論に、「同一人物が複数いると矛盾するので歴史が不安定になる」という設定を加えました。
『クロノ・ストーン』前半の「ルートエージェントが歴史の改変を試みるが、天馬たちがそれを阻止して修正する」という流れを模して、「黒岩が歴史の改変を試みるが、24鬼道さんたちがそれを阻止して修正する」という二次小説を書こうとしたことが、「赤ずきん」作成の原点です。
別の時代でまた黒岩がいたずらするかもしれませんが、同じことは起きません。
ルートエージェントはイナクロでは悪役でしたが、「赤ずきん」ではドラえもんの"タイムパトロール隊"のようなイメージで出演しています。イナクロの問題は天馬たちが解決したので、このルートエージェント達を派遣している組織はエルドラドではありません。
14鬼道さんや影山の記憶は、歴史やルートエージェントによって、元に戻ります。歴史から去った24鬼道さんと黒岩の記憶は、時空を自由に移動できる装置を持っているので、そのままです。
赤ずきんのややこしい部分は、既にルートエージェントは黒岩のインタラプト(3ヵ月前)で敗北した後だということです。
敗北=修正困難になってしまったため、インタラプト後の時間を狙って、ルートエージェントを送り込んでいました。
黒岩さえ追い出せば、なんとか修復可能な範囲だったからです。