清原被告、捜査関係者に感謝 取り調べで気持ち伝え出直し誓う
覚醒剤取締法違反で起訴され、17日に保釈された元プロ野球選手の清原和博被告(48)が、捜査関係者に対し、感謝の意を示していたことが19日、分かった。取り調べには素直に応じ、保釈時に弁護士を通じて発表されたコメントと同様に、更生を誓っていたという。また、清原被告は現在、持病の糖尿病治療のため千葉県松戸市内の病院に入院しているが、予定よりも治療が長引きそうなことも明らかになった。
清原被告が入院していると思われる総合病院の最上階7階の病室は、午前中からカーテンが閉ざされたままだった。前日の18日午後には1日5万4000円という特別病室から顔をのぞかせ、白髪交じりの無精ひげ姿をテレビカメラにキャッチされた。しかし、この日は、午後6時40分ごろに、カーテンの隙間から人が窓の外をのぞいた姿があったが、清原被告かは確認できなかった。
今後、5月17日の初公判まで専門の施設で薬物依存の治療も受ける清原被告だが、警視庁本部での取り調べでの新たな事実が判明した。関係者によると、取り調べ中に捜査員、検察側に感謝の言葉を伝えていたという。逮捕直後は、すすり泣くこともあるなど落ち込んでいたが、取り調べを重ねるごとに落ち着きを取り戻し、保釈後の希望を聞かれ「バットを振りたい」といった野球への情熱も伝えるまでに回復していた。さらに、保釈直前には、逮捕が薬物を断つ節目となったことから、捜査員に改めて頭を下げて感謝の意を示し、保釈時に出された「一から出直します」といったコメント同様に更生への決意を口にしたという。
薬物依存を断ち切る闘いは、これから本格的な段階へ移る。当初、糖尿病の治療を目的とした現在の病院は数日で退院し、薬物依存治療専門の医療施設へ転院することになっていた。しかし、思っていた以上に糖尿病の治療期間が必要で、当初よりも予定が延期される見込みだ。関係者によると、今週中は糖尿病専門の外来がある現在の病院で治療を受ける方針になったという。
治療が長引く背景を糖尿病の治療に詳しい東京慈恵医大の阪本要一客員教授は「覚醒剤の使用や勾留などで体の状態が変わったことで、治療方針を一からやり直すために、データをきちんと集めることは考えられます」と分析。検査を入念に行うために病院での入院が長引いた可能性がある。
その後、都内近郊の専門の医療施設へ転院する。糖尿病が薬物治療の弊害になることが心配されるが阪本氏は「糖尿病の治療と薬物依存の治療を並行して受けるのは問題ない」と明言していた。
◆糖尿病 食べ物に含まれるブドウ糖を体内でエネルギーに変えるホルモンのインスリンの作用が低下し、血糖値が高くなる状態。合併症として網膜症や神経障害、腎症などがみられ、症状が重くなると失明、足の壊疽(えそ)などを引き起こす。治療法としては、軽度の場合は食事療法、運動療法があるが、重度になるとインスリン注射や透析治療が必要となる。