【イスタンブール=佐野彰洋】トルコの最大都市イスタンブール中心部で19日起きた自爆テロで、地元メディアは同日、4人の死者のうち3人がイスラエル人、1人がイラン人だったと報じた。少なくとも36人の負傷者のうち、24人は外国人だった。外国人を狙った犯行かどうかは明らかではないが、訪問客の落ち込みに直面する観光業界の苦境が一段と深まりそうだ。
イスタンブールの自爆テロで搬送される負傷者(19日)=ロイター
米ホワイトハウスは自国民2人が死亡したと発表したが、2人はイスラエルとの二重国籍保有者とみられる。トルコのダウトオール首相は声明で「凶悪な攻撃」と今回のテロを非難したうえで、屈しない姿勢を強調した。
犯行声明は出ておらず、政府は事件の全容解明を急ぐ。過激派組織「イスラム国」(IS)の戦闘員が関与した可能性があるとの報道もある。
イスタンブールでは今年1月、観光名所ブルーモスク近くで自爆テロが起き、ドイツ人観光客12人が犠牲になった。2月と3月には首都アンカラで自動車爆弾を使ったテロが連続で起きた。都市部での相次ぐテロとロシアとの関係悪化が重なり、トルコは外国人観光客の減少に直面している。