ナンセンスギャグにパロディ、擬人化、ゆるキャラ……現代のマンガにも通じるアイデアが240年前にすでにあった。大人の絵本・マンガともいわれる「黄表紙」のなかから厳選7作品をご紹介!
江戸時代のシュールすぎる漫画「黄表紙」
黄表紙ってなに?
(『木挽町新やしき 小伊勢屋おちゑ』喜多川歌麿 画)
黄表紙とは18世紀後期に江戸で大流行した文芸ジャンルの一種。絵と文章で構成され、フキダシのようなものもある、いわば“大人の絵本、マンガ”。あちこちに仕込まれたダジャレや風刺など“遊び”の要素も黄表紙の特徴で、それを読み解くのも楽しみのひとつ。
さっそく黄表紙界を代表する大人気作家・山東京伝の作品からご紹介。解説は超訳+感想となっておりますのであしからず。
モテ男になりたい! 金持ちブサメンのとんでも奮闘記
『江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)』
山東京伝 作/北尾政演 画(1785年)
~あらすじ~
主人公はブサメン・艶二郎(19歳)。団子鼻がチャームポイントで、金持ちのひとり息子。艶二郎の夢は「モテまくって世間の噂になりたい!」悪友2人を相談役に、金にものをいわせて色男になるため奮闘する艶二郎。果たして夢は叶うのか!?
上の画像は「歌に出てくる色男みたいにモテすぎて世間の噂になったら、ぼく、死んでもいいなぁ(ニヤニヤ)」などと妄想する艶二郎。なんか、こういう顔の人、知り合いにいる気がする。
色男になろう作戦1
恋人の名前を刺青しよう(注 恋人はいない)
悪友のアドバイスのまま、「実在しない彼女の名前を刺青して、なおかつ違う女性から嫉妬されたので、その刺青を消し込む」というハイレベル過ぎる設定で、親にもらった身体を痛めつける艶二郎。
繰り返しますが、元カノも今カノも実在しません。画像は、灸をすえて刺青を消す艶二郎。「うぅ、痛いよぅ。色男になるのもつらいね」
色男になろう作戦2
金で熱狂的なファンを買おう
色男には熱狂的ファンが付き物ということで、近所の町芸者に50両(約500万円)を渡して熱狂ファンを演じてもらうことに。家に押しかけてきた艶二郎ファンを名乗る女性(サクラだけど)に家族は仰天。
番頭(画面右)などは「ブサイクな若旦那にファン!?あなた家を間違えてない?」と不信感たっぷり。当の艶二郎は「まいったなあ」とデレデレ。自分でやらせてるんだけどね!
色男になろう作戦3
金で三角関係を演出
色男といったらヤキモチやく女だよね!ということで、今度は200両(約2,000万円)で女性を妾にした艶二郎。本命の遊女のところから帰ってくると、妾の女性は練習していたヤキモチセリフをまくしたてる。
これには艶二郎、大満足。艶二郎「欲しいって言ってた着物買ってあげるからもっとヤキモチ焼いてよ~」女性「続きは着物をもらってからね」。女性の現金さがなんともすがすがしい。
色男になろう作戦4
心中を演出
色男の究極のラストは心中だよね!でもホントに死ぬのはイヤだよね!ということで艶二郎、狂言心中(つまりヤラセ)をやることに。本命の遊女を言いくるめ、大金をはたいて身請(みうけ/遊郭から自由にすること)し、いざ心中。というところで、泥棒に身包みはがれて2人はすっぽんぽん。
なお、この泥棒の正体は艶二郎を改心させようとした父親と番頭。こいつはとんだ茶番だぜ。
結局、色男にはなれなかった艶二郎ですが、すっかり懲りて改心する、というラスト。心中ごっこに付き合ってくれた元遊女と結婚もできたし一応、ハッピーエンド。また、この物語は艶二郎が「オレみたいになるなよ!」という思いから作家の山東京伝に依頼して作品にしてもらった、というオチになってます。
ちなみに、この作品の挿絵を手がけている「北尾政演」とは山東京伝の別ペンネーム。京伝は多才です。主人公の艶二郎はハチャメチャだけどどこか憎めないキャラクターが受け、「うぬぼれ男」の代名詞となり人気者になりました。
また、艶二郎の団子鼻は「京伝鼻」とも呼ばれました。作者の山東京伝はこの団子鼻がお気に入りだったらしく、自分でデザインした手ぬぐいにもこの通り登場させてます。
(『志やれ染手拭合』より)
ヒロインは浦島太郎が鯉と浮気して生まれた人魚。というか人面魚
『箱入娘面屋人魚(はこいりむすめめんやにんぎょう)』
山東京伝 作/歌川豊国 画(1791年)
~あらすじ~
乙姫さまの愛人となった、あの浦島太郎は龍宮上に居候。美しい乙姫さまにも飽きたので、鯉の娼婦と浮気したところ、鯉は妊娠してしまう。こっそり出産させたものの、浦島太郎は保身のため赤ちゃん人魚を捨ててしまう(外道!)。捨てられた人魚の行く末やいかに…
上の画像は、漁師の平次が人魚を釣り上げたところ。度肝を抜かれている平次に、人魚は「怪しい者じゃありません。人魚です。お嫁さんにして♥」と言う。
なんと、それは浦島太郎に捨てられた赤ちゃん人魚の成長した姿だったのです…!
この設定、この絵柄。言いたいことはたくさんあるが、とりあえず、これは人魚というよりむしろ人面魚だといいたい。あとデカい。
めでたく(?)夫婦になった平次と人魚ですが、とにかく貧乏で生活が立ち行かない。
そこで夫を愛する人魚はけなげにも遊女になる。女郎屋の主人は変わり者で、人魚に「魚人(うおんど)」という源氏名をつけ、「足がないのは股引きでごまかせばいいか」と適当なことを言ってさっそく人魚に客を取らせようとするが……。
「うおんどちゃん、めちゃくちゃ生臭いんだけど!(怒」と客からクレーム。結局、初日で遊女はクビになり夫・平次(画面左)のもとへ戻された人魚。そりゃそうだ。
近所に住む学者が言うには「人魚をなめると若返るって古い本に書いてあったよ」。それを聞いた平次、『寿命の薬 人魚御なめ所』という看板を出したところ大評判に。ひとなめ=1両1分(約10万円以上)の高額にも関わらず押すな押すなの大行列で、みんなしてぺろぺろ。
「はい、次のお客さんどうぞ~」と平次。ゲスな客は「もうちょっと下の方をなめたいな」などと言ってます。もうなんなの、江戸時代。
大金持ちになった平次は「もうちょっと若くなれたら、あとは言うことないのになぁ」と思い、嫁が人魚なのをいいことになめまくってたら、若返りすぎて子どもになっちゃう。 「あれ? ボク、なんかオッパイ飲みたくなってきた」。平次よ…。
これは困ったという状況でドロンドロン~と現れたのは、なんと人魚の父親である浦島太郎と母親の鯉。浦島太郎が平次に玉手箱を開けさせると、あらビックリ、いい感じのナイスミドルに大変身。なるほど、これは上手い。ついでに人魚も人間に!2人は末永く幸せに暮らしましたとさ。
人間×人外のラブストーリーは今のマンガ界でもブームですが、江戸時代にも人外萌えがあったといっていいんじゃないでしょうか。
次は江戸のゆるキャラが登場します。
大人気キャラクターとなった心の中の「善玉」と「悪玉」
『心学早染艸(しんがくはやぞめぐさ)』
山東京伝 作/北尾政美(まさよし) 画(1790年)
~あらすじ~
「黄表紙は理屈くさいのが嫌われるというけど、今回は理屈くささをあえてネタにしてみたよ」(by京伝)
天上界には天帝という偉い神様がいて、シャボン玉のようなものを吹いているという。これが生まれたての赤ちゃんの体に入ると魂となるのですが、最初はきれいな形の魂「善玉」も、飛んでいるうちにゆがんで悪い魂「悪玉」になることも。さて、日本橋の裕福な商人のところに生まれた赤ちゃんにはどんな魂が入ることやら――
上の画像は、生まれたばかりの赤ちゃん(理太郎)の体に入り込もうとする悪玉。天帝がその手を捻りあげ、「ここはワシが押さえる。今のうちに行け!」とばかりに善玉を赤ちゃんのもとに向かわせる。
丸に「悪」と「善」という圧倒的わかりやすさに思わず唸りますね。顔以外はふんどし一丁。このキャラクター造形は完全にマンガのそれです。
その後も順調に成長し、絵に描いたようなマジメ好青年となった理太郎(18)。仕事に疲れてウトウトお昼寝中。体の中の善玉も「たまには」と息抜きに出かけようとした……その時!かつて理太郎の体に入り損ねた悪玉が仲間を連れて善玉を捕まえ、まんまと理太郎の体に入り込むことに成功。善玉「む、無念…」。
お昼寝から覚めた理太郎、なぜか、「そうだ、吉原行こう」と思いつきふらふら~っと出かけてしまう。おそるべし、悪玉パワー。そして、妓楼に上がった理太郎は遊女にメロメロ。「ボク、こんな楽しいの初めて」。
よく見ると、
すっかり理性を失った理太郎を見て、悪玉たちは喜びのダンス。アリャアリャ♪ よいよい♪(地の文ママ)
いろいろあったが再び体の中に善玉が帰ってきたので、もとのマジメ好青年に戻った理太郎。仕事にも励んでいたが、あの時の遊女から送られた手紙に心が揺れる。その隙にまたしても悪玉が!
そして、なんと善玉を斬りつけた!悪玉「覚悟しろ~」善玉「ぐわッ、無念なり……」。血しぶきをあげる善玉。ちょっ、なんという展開。あと、さっきからムダに悪玉のポーズがかっこいい。
理太郎の心を完全に支配した悪玉は増殖を続け、それとともに理太郎も堕落。飲む、打つ、買うはもちろん、詐欺はするは親不孝の限りを尽くし、ついに勘当されてしまう。かつての好青年は今いずこ……。とうとう実家の蔵に泥棒に入るまでに。悪玉たちは「もっとやれ」とあおりまくり。
それにしても
この悪玉軍団、ノリノリである。
最終的に盗賊にまで身を落とした理太郎ですが、道理先生という立派な先生に出会い、説教され改心。勘当も解かれて、それからは親孝行に励んだとさ。めでたし、めでたし。
とまぁ、こんなお話なんですが、作中に登場する「善玉」「悪玉」という心を擬人化した愉快なキャラクターが大ウケ、特に喜びのダンスを披露していた悪玉は大人気に。かの葛飾北斎も「悪玉踊り」を当時流行していた踊りのひとつとして描いています。
『踊獨稽古(おどりひとりげいこ)』
この「悪玉踊り」は歌舞伎にも取り入れられたといいますから、当時の人気ぶりが伺えます。いつの時代もキャラクターものは強いんですね~。ちなみに、「善玉コレステロール」とか「悪玉コレステロール」とか言いますが、これもこの擬人化キャラ「善玉」「悪玉」が語源だとか。すごい!
さて、お次は人気キャラとなった善玉が再び登場する続編です。
今度のお話は、手、目、口、鼻たちが擬人化されて大暴れ
『人間一生胸算用』
山東京伝 作・画(1791年)
~あらすじ~
『心学早染艸(しんがくはやぞめぐさ)』の続編。冒頭、大人気キャラクターとなった善玉が「前作が好評だったのでスポンサーの勧めもあり続編出したよ!」と身も蓋もない挨拶から始まる。この善玉が作者の山東京伝を連れて冒険に繰り出します。
上の画像は、善玉と山東京伝が訪れた商売熱心でマジメ一直線な男の家。そして、あら不思議!2人は豆粒のように小さくなって男の体のなかへ。なんだか、映画『ミクロキッズ』みたいな展開です。そういえばドラえもんでも小さくなったのび太がしずかちゃんの体の中に入る話がありましたね。江戸時代にこんな発想があったことがビックリ。
さてマジメ男の体内に入ってみると、なんとそこは小さな国になっており、リーダー格の「心」に手綱を握られた体の各部位がいた!
左から「耳」「目」「鼻」。
左から「手」「足」「口」。
超シュール。ちなみに、着物の柄も「目」ならメガネ、「手」なら「テ」などそれぞれにちなんでいて芸が細かい。
そう、男がマジメなのは、「心」が「手」「足」などを完璧にコントロールしていたからだったのだ!
ある日、男がうなぎの蒲焼屋の前を通った時のこと。体内の小さな国ではこんなやりとりが。鼻「この匂い!がまんできないよ~」口「あー、蒲焼食べたいよ~」番頭の「気」もそそのかされ、リーダーの「心」にお伺いを立てる。
が、堅物な「心」は「ムダな出費だ。早く帰るぞ」と取り付く島もない。
「心」の圧政にうっぷんを溜めていた「目」や「口」たちはついにクーデターを起こし、「心」を追い出すと「気」をリーダーにまつりあげた。気が大きくなった「気」は一同を連れて吉原でドンチャン騒ぎ。
「目」は「いい女ばっかりで眼福、眼福」と喜び、「口」はおいしいお菓子をしこたま食べ、「鼻」は遊女たちの香りにうっとりし、「耳」はせっせと耳かきしたりと大満足。
その後、「手」と「足」が暴走しだし、マジメだった男は盗みまで働くように。見かねた作者・京伝(ずっと体内にいた)が「心」を探し出し、秘密アイテムを使って再び「心」がリーダーに復帰し秩序が戻る。
正気が戻った男は以前よりできた人間になり、ほっと一息。その拍子に京伝も体外に出て、すぐさまこの体験を本にした、というオチ。
内容は説教臭いですが、表現のしかたが今見ても斬新すぎます。少し前に擬人化が大ブームしましたが、その下地は江戸時代にあったんです。
もうひとつおまけに京伝作品。シュール具合ではナンバーワンかも。
タコの閻魔は芋が嫌い? 芋が責め苦にあう芋地獄ってなんなんだ!?
『一百三升芋地獄(いっぴゃくさんじょういもじごく)』
山東京伝 作(1789年)
~あらすじ~
この世にあるという136の地獄すべてを巡った豪傑がいた。地獄コンプリートを成し遂げこの世に戻ってきた男は、子どもたちの歌う歌詞に初めて聞く地獄を知る。その名も「芋地獄」。好奇心旺盛な男はさっそく芋地獄を見物すべく旅立つ…。
上記画像は芋地獄。地獄の長は閻魔ならぬ大タコの天蓋(てんがい)大王。地獄へ落とされた芋たちに罰を与えるのが役目。引き出されているのは山の芋。
天蓋大王「精進ものでありながら、鰻の蒲焼風に料理され和尚に精をつけさせたな!」と糾弾。現世での罪を映す鏡にはたしかに鰻が。ちなみに画面左奥には長芋の針山。痛いというより痒そうだ。
賽の河原では小芋たちが石の代わりにムカゴ(山芋の葉の付け根にできる球芽)を積み上げ塔をつくる。チビッ子の小芋たち、カワイイような、あんまりかわいくないような……。
地獄に落ちたつくね芋たちが、ある者はワサビおろしですりおろされ、ある者はすり鉢ですられる、そう、ここは「とろろ地獄」。とにかく痛そうだ。地獄の鬼たち曰く「いもいもしい芋だ。硬くてすりおろせねえ」。
とまぁ、こんな感じで続く芋地獄の様子を見物していた地獄マニアの豪傑。しかし、芋たちのあまりのいじめられっぷりに堪忍袋の緒が切れ、大タコの天蓋大王に熱湯をぶっかける!
じつはこの芋地獄、タコ大王がつくった偽地獄であることが判明し、激怒した閻魔大王によりタコ大王は灼熱地獄で茹ダコにされてしまったとさ。めでたし、めでたし。
芋地獄なだけに、登場する芋たちのキャラクターが秀逸。随所に散りばめられた“芋ギャグ”もおもしろい。個人的に「いもいもしい(いまいましい)」を推したい。唱える念仏も「いもあみだぶつ、いもあみだぶつ」。もう、めちゃくちゃです。
山東京伝作品はこのくらいにして、ここからはほかの作者の作品ご紹介。やっぱり斜め上をいってます。
不景気の末、千手観音が始めたのは千本の手のレンタル!?
『大悲千禄本(だいひのせんろくほん)』
芝全交 作/北尾政演(山東京伝)画(1785)
~あらすじ~
千本の手で衆生を救う千手観音さま。しかし、観音さまも不景気には勝てず、「面皮千兵衛(つらのかわせんべえ)」というあからさまにインチキ臭い自称実業家の口車に乗せられ新商売を始めることに。それはなんと、千本の手を切り離して格安でレンタルするというもの。
上の画像は、観音さまの手がレンタルできるという話を聞きつけ大勢の客が押し寄せている様子。客を惹きつけるテクニック(手)がない遊女、文字(筆跡を「手」という)を書けない人。ほかにも時代を超えてやってきた片腕の武将の霊や、片腕を切り落とされた昔話の鬼など客の顔ぶれは多種多様。「観音さまの手なので、しらみをつぶしたり、卑猥なことに使わないで」との注意事項もある。
さて、観音さまの手をレンタルした人のようすを見てみましょう。これは文字の書けない人の場合。さっそく手紙を書いてみようとしたのだが、観音さまの手だけあって梵字しか書けない…。「役立たねー。でも、せっかく借りたしな」ということで、
爪に火をともしてロウソク代わりに。手「あついよ~あついよ~」と言ってます。燃やしちゃダメ。
ラストは「今から鬼退治に行くんだけど、千本の矢を放ちたいから千本ぜんぶレンタルさせて」という坂上田村麻呂がご来店。ほかの人に貸していた手を急いで返してもらい、田村麻呂に貸してあげておしまい。
すごい世界観。ある意味、日本人のおおらかな宗教観のなせるところなのかもしれませんね。
さぁ、いよいよ最後の作品。こちらはなんとまさかのSFです。
江戸時代のSFマンガ!? 未来予知がかなり的中していてコワイ
『無益委記(むだいき)』
恋川春町 作・画(1781年)
~あらすじ~
かの聖徳太子が未来を予想して書いたといわれる『未来記』のパロディ。時は人王三万三千三百三十三代に当たる頃、今(江戸時代)とはすっかり変わり果てた世界とは――
上の画像では、新しいもの好きの人が多いため、春が旬の鰹(かつお)が冬にも売られる。アンテナのように細長い髷(まげ)、めちゃくちゃ太い帯、だらしないほど長い着物……と、繁華街へ遊びに行く若者のファッションが奇抜になる。
「食べ物の旬がなくなる」「理解不能な若者ファッション」あれ?どちらも現代に通じますね。それにしても髷がすごい。刺さりそうです。
男女逆転現象が起きる。女性はメンズファッションに身を包み、男の遊女(遊男?)も誕生。女性の立場が強くなり、ついには男性を金で買うように。
「男女逆転」はたしかに今の時代にもよく言われますね。男の遊女は……女装男子の元祖ってこと?
高齢化社会となり、遊郭には老人のお客ばかり。ちなみに、芸者も高齢化。高齢化社会の先取りです。
恐ろしいほど的確に未来を予想している黄表紙。作者は「絶対こんなことありえないこと書いたろ」と思っていたかもしれませんが。
いかがだったでしょうか? 江戸版大人の絵本・マンガといわれる「黄表紙」。シュールでぶっとんだ世界観に衝撃をうけるとともに、日本人の好きなものって時代が変わってもあんまり変わらないんだなあと感じてしまいます。
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ぶっ飛んだ世界観です。