早瀬やよい(やよいは小文字)さん
美少女ゲームを原作とするTVアニメが放送されてないクールは珍しい、というぐらい数多くの作品が放送されている現在。18歳未満でプレイできない、あるいはゲームには興味がない、という人でもアニメやコミック版は知っている……という場合も多いだろう。中には『Fate/stay night』(TYPE-MOON)のような大人気シリーズとなった作品も存在し、主に男性向けアニメを語るうえでは外せないジャンルだ。
そんな美少女ゲームのセールスポイントに、「キャラクターボイス」も挙げられるだろう。近年の声優ブームから、美少女ゲームでヒロインたちを演じる声優に興味を抱いている人は少なくない。しかし一方で、美少女ゲームへ魂を吹き込む声優さんたちは、どんな人で、どんな活動をしていて、どんな事情を抱えているのか?――その人気ぶりと反して、その素顔は意外と知られていないのではないだろうか。
というわけで、知っていそうで意外と知らない、美少女ゲームの声優さんインタビューを敢行! 美少女ゲーム業界が抱える課題などを分析、考察、解説してみようと思う。
第1弾のゲストは、イベントなどでも活躍するフリー声優の早瀬やよい(やよいは小文字)さん。美少女ゲームの多くは18禁ということもあって、あまり表に出てこない声優さんも多い。だが、彼女はイベントなどへ積極的に出演しており、「会いにいける身近な美少女ゲーム声優さん」の1人なのだ。イベントで会えることもあるので、気になった人はぜひ現場に足を運んでみてほしい。
声優という職業にたどり着くまでに、さまざまな道のりを経てきたという早瀬さん。まずは、声優を目指したきっかけと経緯から聞いてみた。
早瀬やよい(以下「早瀬」) 学生の時、自身の朗読音声を聞くという授業があって、一人だけ変な声のやつがいたんです。それが私だったっていう(笑)。周りからアニメ声とか言われて、もともとアニメやゲームが好きだったので声優になりたいな、と。それでアイドル声優を目指してセガのアイドルオーディションを受けたんです。当時から『サクラ大戦』が大好きで私の中では「セガ=サクラ大戦」っていうくらいでしたから。今でこそわかりますけど、ああいうオーディションって組んでいる事務所があるんです。でも、当時は知らないんですよ。オーディションには受かったんですけど、契約となったら「グラビアの事務所」で(笑)。声優をやるにはまずグラビアで売り出して……という方向になりました(笑)。でも、声優さんって「〇〇役の」ってイメージだから、ちょっと違うかな、と。
と、“声優を志す”ようになった理由は、意外とよく聞くきっかけからだったが、グラビアアイドルとなってしまった早瀬さん。今では「アイドルから声優」という道も珍しくはないものの、当時はかなり畑違いだったはず。だが彼女は、紆余曲折あったものの声優という道を諦めなかった。