パリ同時テロ 逮捕の男 事件前に協力者らと接触か

3月20日 11時10分

去年、フランスのパリで起きた同時テロ事件で、実行犯の１人として１８日にベルギーで逮捕された容疑者の男は、事件の前にヨーロッパ各地を回って複数のテロリストと接触していた疑いが強まり、捜査当局は犯行に協力した人物の追及に力を入れることにしています。

去年１１月にパリで起きた同時テロ事件で、国際手配されていたモロッコ系フランス人、サラ・アブデスラム容疑者は１８日、ベルギーの首都ブリュッセルで逮捕されました。
フランスの捜査当局は１９日、アブデスラム容疑者がテロ事件の４か月前の去年７月から複数のレンタカーを使ってギリシャやハンガリーなどヨーロッパの少なくとも７か国を回り、複数のテロリストと接触していた可能性があることを明らかにしました。アブデスラム容疑者はこのほか、爆発物の製造や犯行に使う車の手配など、事件の準備で中心的な役割を果たしていた疑いがあるということです。
当局は、アブデスラム容疑者と接触していたテロリストや犯行の計画に関わっていた人物がヨーロッパ各地にいるものとみて、各国と連携し、こうした関係者の追及に力を入れることにしています。
また、インターポール＝国際刑事警察機構は１９日、アブデスラム容疑者の逮捕をきっかけに、関係者が捜査の手が伸びることを恐れて逃亡する可能性が高まっているとして、加盟１９０か国の捜査機関に対し、国境での監視を強化するよう勧告しました。