敏腕クリエイターやビジネスマンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ番外編。米ライフハッカー編集スタッフが、それぞれの仕事術を紹介します。今日は私、エリック・レイヴェンスクラフト（Eric Ravenscraft）の番です。ところでこの苗字は本名です。

このコーナ―は何度も回を重ねてきたので、去年や一昨年に紹介したのと同じアプリや仕事術を繰り返すのにあまり時間を使いたくありません。相変わらずInboxが好きですし、ゲーム周辺機器を使って仕事をこなしていますし、まだAndroidの時計を使っています。こんなことを並べてたてても退屈でしょうから、イケてる新しいもののことを話すようにしましょう。

――「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールはありますか？

ワイヤーを長さで分類してここに保管しています。

昨年は、デジタルの仕事環境より物理的な仕事場を作るのに時間を使いました。キック・アス・ロボットの腕を作ることでArduinoを使って仕事をする方法を習得できましたが、かたや良くできたはんだごての価値もわかりました。細かい作業にはElenco SL-5 stationとポイントはんだ付けを使い始めました。ボードを再利用する必要が無いArduinoを使った最近のプロジェクトではAdafruit社のPro Trinketも使いました。最小限のスペースしかとらず、マイクロUSBケーブルでプログラムできます。小さな一度限りの特殊なプロジェクトにはもってこいです。

日中ガジェットを充電するために、Yubi towerを使っています。電話、タブレット、その他の何となくテストしているデバイスのうち、忙しい日は3個から5個同時にどこででも充電する必要があるからです。同伴者のいる旅行の際は、ホテルの客室にある2つの電源コンセントをシェアしなければならないので、これがあると便利です。差し込み口が40個もあるので、たいていの人には多すぎるかもしれませんが、幸いなことにUSBプラグに加えて定番の差込口がついた、ずっと小さいバージョンもあります。

Windows10のことにも触れなければなりません。昨年はプレビュー・フォームでしか手に入らなかったので、このコーナーでは取り上げませんでした。でも、誰でも使えるようになった今、どう思っているかと言えば、素晴らしいとしか言いようがありません。複数のデスクトップを使っていますが、使ってみる価値のあるWindows10アプリもいくつか見つけました。OSアップデートと呼ぶほどのことではなかったかもしれませんが、仕事では苦労なく使用できています。

――仕事場はどんな感じですか？

自宅の小さなホームオフィスに2つデスクを置いて、作業するプロジェクトによりデスクの間を行ったり来たりしています。L字型の大きいデスクは文章を書くときに使いますが、横には余分なスペースがあり、そこでアプリをテストしたり、デバイスを充電したりしています。2週間前に片づけておくはずだったガラクタもそこにたくさん積んであります。2つ目のデスクは部屋の反対側にあり、PCを使わない仕事をするときにPCで気が散らないようにわざとそういう配置にしています。本業で十分PCは使っていますから。

――お気に入りの時間節約術やライフハックは何ですか？

いろいろなことを無視することです。いえ、真面目にそうしてみるべきです。昔は、飛んできたことにはすべて応じなければならないと思っていました。Facebookのコメント、知らない人からのメール、Twitter上のランダムの返信など、すべてに等しく注意を払う価値があると思っていたのです。今は違います。気にする必要のないことは無視するという考えにいったん慣れてしまうと、こなせる仕事量が増え始めました。インターネット上の通知音に、次は何に注意を払うべきか教えてもらわなくても、私には既にやるべきことは十分にあります。

――携帯電話とPC以外で「これは必須」というガジェットはありますか？

未来はきっと、食事を作りたいときにボタンをいくつか押すだけで、ジャーン！できあがり。

圧力鍋がこのリストのトップに急上昇しました。今まで、私は料理が下手だと思っていました。もしあなたも同じように思っているなら、圧力鍋は「自分は料理の天才なんじゃないか」と思わせてくれる魔法の箱です。これを使うとチキンの調理時間が半分になります。そのほかにもたくさんのレシピを素早く調理できてしまいます。さらに重要な点は、常に見張っている必要がないことです。だから、料理ができるまでに別のことをしていられます。料理ができるまでの待ち時間が無駄にならないところがスロークッカーの良いところです。

――日常のことで「これはほかの人よりうまい」ということは何ですか？

ググることです。ほかの人より上手いかどうかはわかりませんが、ライフハッカーで2年以上仕事をした結果、ほとんどの問題は少し調べれば解決することを学びました。今までに、自宅の湯沸かし器をちょっと修理したり、ガールフレンドの車のバッテリーを2回修理しました。どれもそれほど難しい作業ではありませんでしたが、以前はやり方を知りませんでした。そういう具体的な修理は誰もがしなければならないわけでも、できなければならないわけでもありませんが、困ったときにオンラインで調べようととっさに思えれば、修理の仕方がわかって驚きます。

――仕事中、どんな音楽を聴いていますか？

最近は、「Spotify」をブラウジングして、ライフハッカーの新しい特集プレイリストシリーズ用に監修されたプレイリストを聴いています。Play Musicの気分に合わせたプレイリストも大好きです。最後はスーパーヒーローのサウンドトラック・ステーションにどうしても行きついてしまうんですけどね。特に映画のサウンドトラックは集中力が必要なときは抜群です。注意力散漫にならないように作られているからです。

――現在、何を読んでいますか？

大好きな『Marvel Unlimited』に関するものなら何でも、読む価値があります。コミックなら、年に70ドル（年会費を払うのが心配なら月に9.99ドル）払うとMarvelのコミックブログのほとんどすべてに、無制限でアクセスできます。直近6カ月ぐらいの最新コミックだけは読めませんが、半年ぐらいなら待っても悪くないでしょう。『Secret Wars』の最終回を待っているのでない限りはですが。ちなみに、『Secret Wars』も実に素晴らしかったですね。

――どのように充電していますか？

多くのユーザーが同時に遊ぶタイプのオンラインゲームMMOを独りでやることです。『World of Warcraft』や『Star Wars: The Old Republic』のようなゲームにたくさんの人たちと参加しますが（購読料を払う場合もあります）、他人はすべて無視して自分独りでできることに集中します。変な話かもしれませんが、そういうゲームをすると気分が落ち着きます。MMOでコツがつかめたら、1人でやるのははひたすら忙しく頑張るゲームです。基本的なクエストを制覇していくのに、それほど考えたり努力を必要としないので、長くやればやるほど、仮想ポイントをたくさん獲得して達成感が得られます。仕事の日はクリエイティブな仕事かリサーチで脳を集中的に使うので、ストレスを感じることなく何も考えずに遊べるものがリラックスさせてくれます。

――睡眠習慣はどのような感じですか？

朝起きる時間から逆算して就寝時間を決めています。その方が、逆のやり方より私には向いていることに気づきました。

――今日あなたがされた質問と同じ質問をするなら誰にしたいですか？

「HOW I WORK」シリーズ担当編集者のアンディ・オリンかな。彼はとてもカッコいいですから。あ、ちょっと待った！

――これまでもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください

ものごとは簡潔に保て。

それから、「自分の仕事に対してそれ相当の報酬を支払ってもらって当然」です。わざわざ言うのも馬鹿げているかもしれませんね。でも、世間に発表するためだけに、無報酬でも喜んで仕事をしたり、会社が最初に提示した金額をそのまま受け入れたりするアーティストや仕事人がどんどん増えているようです。単純な小売り業より複雑なことをしているなら、サラリー交渉をするべきです。誰かがお金を払ってもいいと思うようなものを作るのに懸命に仕事をしているなら、そのお金は受け取るべきです。相手はできる限り得な取引をしようとしてきます。こちらは、自分の仕事や作品を買い手がつくぐらいの値段にしさえすればいいのです。誰にでも買えるようにする必要はありません。会社や顧客があなたの仕事にそれ相当の金額を支払おうとしないなら、恐れずにもっと高い金額になるように交渉するか別の買い手を見つけましょう。

――ほかに読者に伝えたいことはありますか？

アトランタに来たら声をかけてください。一杯やりましょう。

Eric Ravenscraft(原文／訳：春野ユリ)