2016年3月20日00時52分
広島県東広島市の山陽自動車道「八本松トンネル」で起きた多重事故で、県警は19日、発端の追突事故を起こしたとされるトラック運転手の勤め先の運送会社ゴーイチマルエキスライン(埼玉県川口市)の事務所を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の疑いで家宅捜索し、運行計画書や運転日報など約110点を押収した。前方不注意につながる過労運転などがなかったか調べる。
事故は17日朝に発生した。皆見成導(みなみなりみち)容疑者(33)=埼玉県越谷市、同容疑で18日に逮捕=が運転するトラックが、別の事故によってできていた渋滞の列に追突し、軽乗用車の介護職員丸岡節枝さん(65)=広島県竹原市=と別の乗用車の会社員今塩屋(いましおや)明宏さん(34)=東広島市=が死亡。67人が負傷した。
国土交通省の運送会社への特別監査では、皆見容疑者は昨年12月の入社以降、連続運転時間が長すぎるなどの過労運転が複数回あった。今回は川口市と福岡市を5泊6日で往復する計画だった。県警は今後、同社の運行責任者らに話を聴く一方、トラックの整備状況も調べる方針。
また、その後の県警の調べで、皆見容疑者のトラックが今塩屋さんの乗用車にめり込んでいたことがわかった。事故に巻き込まれた車のドライブレコーダーの分析では、この状態で渋滞の車列に突っ込み、約100メートルにわたって少なくとも4台の車に衝突し、炎上していた。最初の衝突から炎が上がるまで4、5秒だったといい、県警は衝撃の激しさを示しているとみている。
皆見容疑者は19日の県警の聴取で容疑を認めているものの、事故当時の状況について「もう少し待ってほしい。時間がほしい」と具体的に説明していないという。
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朝日新聞社会部
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