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 東京電力福島第一原発事故で汚染された指定廃棄物の処分場について、宮城県の村井嘉浩知事は19日、県内3カ所の候補地を白紙に戻す考えを示した。仙台市内に全35市町村の首長らを集めた非公開の会議の後、報道陣に明らかにした。22日にも環境省に現地調査の中止を申し入れる。

 環境省は、同県では栗原市と大和、加美両町のいずれかに処分場を造る方針だが、地元の反対で現地調査に入れない状況が続いていた。19日の会議では「別の候補地を探した方がいいのか、もう1回議論してほしい」との意見が出たといい、村井知事は検討し直す考えを表明した。結論を出す時期は未定という。

 村井知事は環境省の方針に協力する姿勢を貫いてきた。だが同省が廃棄物の放射能を再測定したところ、指定基準(1キロあたり8千ベクレル)を上回る廃棄物が、当初の約3400トンから約1100トンへ大幅に減っていた。このため、指定廃棄物での県内の対立を解消し、むしろ量が増えた基準以下の廃棄物の処分に力を注ぐべきだと判断した。

 環境省は「正式な申し入れがあるまではコメントは控える」としている。